...聴衆(ききて)は耳に手をやつて...
薄田泣菫 「茶話」
...今又素顔君も、視覚を失ひ、聴覚を失ひ、遂に又味覚をも失ひ、消ゆるが如く亡くなつた...
高浜虚子 「椿子物語」
...ただこういったままではらはらと涙でも流して団洲(だんしゅう)式の思い入れでもした方が聴衆は湧きたつかもしれないのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...それを聴いて身にしみて悲惨を感じながら...
近松秋江 「狂乱」
...聴(き)かれざりしかば...
野中到 「寒中滞岳記」
...のちに佐々木喜善氏が収集した『紫波郡昔話』や『聴耳草紙』にあるような...
野村胡堂 「胡堂百話」
...漸(ようや)く縄を掛けた時騒ぎを聴いて二合半坂の市蔵も飛んで来ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...聴いておくんなさい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――扇を取りに踊屋台へ行ったというのも後で下女から聴いたことで」一代身上を築いた嘉兵衛は意志の権化のような剛毅(ごうき)な男ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...残らず盗み聴いてしまったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...椿姫の唄を唱歌室で聴きました...
林芙美子 「文学的自叙伝」
...もつとわしの祖父の話を聴かせろと仰つしやるんで?――よろしいとも...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...つい今しがた少女の習い出したらしい琴の幼い調べが途絶えがちに聴えて来る...
堀辰雄 「ほととぎす」
...掻なぐり捨てるように聴取器(ヘッド・フォン)を外して寝台に潜り込むと...
牧逸馬 「運命のSOS」
...子姑(しばら)くこれを黙聴せよ...
正岡子規 「古池の句の弁」
...そして逆に語る者がただ語る者でなくまた聴き得る者であるというところに存している...
三木清 「解釈学と修辞学」
...聴衆一同無上の不浄に汚されたごとく争うて海に入るを睹(み)た...
南方熊楠 「十二支考」
...届けだけは聴いておく...
山本周五郎 「お繁」
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