...打傾いて耳を聳(そばだ)て...
泉鏡花 「薄紅梅」
...――知られぬ国の中央に桃都山といふ大きな山が聳え立つてゐる...
薄田泣菫 「独楽園」
...頭上に山の頂や隣の峰々が高く聳(そび)え立ち...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...秀麗富士の聳(そび)える日本の空を目指して...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...ニイチエの奇崛独聳は嶄然として時代の地平線を超越したるものありと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...瀧の側からは杉の大木が聳えて其杉の木には蝋が流れたやうに藤の實の莢が夥しく垂れて居る...
長塚節 「佐渡が島」
...さうして其(そ)の焔(ほのほ)は近(ちか)く聳(そび)えた杉(すぎ)の梢(こずゑ)から枝(えだ)へ掛(か)けて爪先(つまさき)で引(ひ)つ掻(か)いた...
長塚節 「土」
...長崎に居たことがあつたさうだな」「それがどうした」猫又法印は肩を聳(そびや)かします...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...時には雲に聳(そび)ゆる高山へも登りますし...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...六角に削り上げた尖端を深い暗い空につきぬけて聳立してゐるのを見た...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...駅の南に嵯峨として聳たる嶺見ゆ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...目貫(めぬき)の十字路に聳立(しょうりつ)する分離派式五層モダン建築...
夢野久作 「二重心臓」
...町々に聳えているカソリックの鋭い尖塔は...
横光利一 「欧洲紀行」
...半天を劃する如く聳え立つベルドオヌの美觀は...
吉江喬松 「山岳美觀」
...其姿を中腹にして冷たい紺碧の空に聳えてゐる一列の山嶺の頂までも映つてゐる...
吉江喬松 「山岳美觀」
...中央(ちゅうおう)に八層(そう)の天主閣(てんしゅかく)が聳(そび)えていた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...見るだに恐ろしい巨人の塁壁の如く聳え...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...家々の上に高く聳え立ち...
和辻哲郎 「鎖国」
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