...今はこの聡明な私立探偵だけが頼りなのだ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...勿論(もちろん)、聡明なる人、今日の政府などに於ては、必ずもっともなりと言うのであるが、州の組織がどうしても許さぬ...
大隈重信 「平和事業の将来」
...ただ、最後のが、もう少しはっきり言い現せそうなものだとは思ったが、そして大体においては、君のこのまったく自発的な進みかたが、ごく自然な、かつごく聡明な、また僕自身にとっては感謝しなければならぬほどのものだと思う...
大杉栄 「男女関係について」
...大貧に、大正義、望むべからず――フランソワ・ヴィヨン第一回一つの作品を、ひどく恥ずかしく思いながらも、この世の中に生きてゆく義務として、雑誌社に送ってしまった後の、作家の苦悶に就(つ)いては、聡明な諸君にも、あまり、おわかりになっていない筈(はず)である...
太宰治 「乞食学生」
...聡明な静謐(せいひつ)の気配を持っていました)コセコセしない人柄のようでしたので...
太宰治 「人間失格」
...流石(さすが)に聡明な笑顔であった...
太宰治 「火の鳥」
...聡明な人はよくその聡明に捉へられるものである...
田山録弥 「正宗君について」
...この物語はケント州のメイドストーン治安判事を勤めている非常に聡明な一紳士から...
デフォー Daniel Defoe 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...中には正業に就(つ)くことの出来た聡明な者もあったが...
富田常雄 「刺青」
...▲凡そ聡明な人物は...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...聡明な登山者よ、どうか俺たちなども、いたずらに弄(なぶ)り物にしたり、金もうけの種にしたり、焚物に重宝がったりする段でなく、もっと高い精神的な面で、われわれへの理解と共感を深めて欲しい...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...聡明な女だったが...
久生十蘭 「無月物語」
...聡明な器用な手で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...「あきら」のアッパは声の太くかつしわがれた、聡明な二十八、九の婦人であった...
柳田国男 「雪国の春」
...「臣が多くを申しあげないでも、ご聡明な帝には、疾(と)くお気づきと存じますが、天下も今、ようやく平静に返ろうとして地方の乱賊も終熄(しゅうそく)したところです...
吉川英治 「三国志」
...光秀の聡明な理性が何かに光るときほど...
吉川英治 「新書太閤記」
...あれは聡明な男だと云われる...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...やはり宗矩の聡明な点に依るものといつも感服する...
吉川英治 「宮本武蔵」
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