...聡明な、それでいてやさしみのある、始終何かに微笑を送っているような、朗然(ろうぜん)とした眼である...
芥川龍之介 「西郷隆盛」
...彼は聡明の方で、彼の父は彼に小学など教えてはその覚(おぼえ)の好いことを無上の喜楽として、時々は貧困の苦痛をも忘れていた...
李光洙 「愛か」
...世間の金持のやうに無智ではないぞ」と云ふ意味があるのではないでせうか? 何しろ彼の人は器用に聡明に立ち廻ります...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人人」
...最も批判的聡明と最も冷静なる判断とをもって...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...不良少年のような聡慧(そうけい)さをもっていたが...
徳田秋声 「仮装人物」
...無意味な超民衆的反感を招かぬことに細心の注意を払うだけの聡明さを持っていたから...
戸坂潤 「挙国一致体制と国民生活」
...それが聡明な心の働きである...
豊島与志雄 「最近の菊池寛氏」
...淑徳聡明をもって有名なこの夫人に負うところが多かったということである...
中谷宇吉郎 「牧野伸顕伯の思い出」
...鑑賞の智慧聡(ざと)い瞳(め)を光らしている...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...どんな聡明な男だって感違いする...
久生十蘭 「魔都」
...聡明な顔つき、灰色の瞳は何物をも見抜くかのようだった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...聡明(そうめい)な点もある女ながらすぐ腹をたてるわがままなところも持つ女なのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...敏り深い聡明な清い瞳を見た...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...まだ十七か八の初々(ういうい)しい聡明(りこう)そうな瞳(め)をした...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...聡明(そうめい)にも...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...貞操についても先ず何より個人のその時時の自由な併せて聡明な実行に任せることを望む者である...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...英仏の聡明な婦人はともかく...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...聡明なる幸村(ゆきむら)父子の目にとまれば...
吉川英治 「宮本武蔵」
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