...野村の聞知つた所では...
石川啄木 「病院の窓」
...秀ちゃんは已に諸戸から委細のことを聞知ったのであろうか...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...彼並びに彼の家族について私が聞知し得た總てである...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...今や氏の創作の態度などを聞知するに及んで益その感を強めることができた...
土田杏村 「風は草木にささやいた」
...和蘭商館長からこのことを聞知して...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...『夏すがた』の一作は『三田文学』大正四年正月号に掲載せんとて書きたるものなりしが稿成るの後自(みずか)ら読み返し見るにところどころいかがにやと首をひねるべき箇所あるによりそのまま発表する事を中止したりしを籾山書店これを聞知り是非にも小本(こぼん)に仕立てて出版したしと再三店員を差遣されたればわれもその当時は甚(はなはだ)眤懇(じっこん)の間柄むげにもその請(こい)を退(しりぞ)けかね草稿を渡しけり...
永井荷風 「書かでもの記」
...これより先わが身なほ里昂(リオン)の正金(しょうきん)銀行に勤務中一日公用にてソオン河上(かじょう)の客桟(きゃくさん)に嘲風姉崎(ちょうふうあねざき)博士を訪ひし事ありしがその折上田先生の伊太利亜(イタリア)より巴里に来(きた)られしことを聞知りぬ...
永井荷風 「書かでもの記」
...其後風邪の由聞知りたれば見舞に行きしなり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...その男が何か深く聞知ろうとすればいよいよ堅く口を閉じて何事をも語らない...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...大方女給同士の話から聞知って冗談を言うのだろうと...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...わたくしは木場の口から悉くこれを聞知(きゝし)つたのである...
永井荷風 「来訪者」
...ウロ覺えの新聞知識で天文學者の卵でもあるかのごとく案じ...
長谷川時雨 「あるとき」
...終(おはり)は人の物笑ひに今では名を知る人もなしとて父が常住歎(なげ)いたを子供の頃より聞知つておりました...
樋口一葉 「にごりえ」
...此年孟夏の女子の誕生とを聞知した時の書である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...わたくしは聞知しない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...ある時はわが大学に在りしことを聞知(ききし)りてか...
森鴎外 「みちの記」
...自分のごときもすでに何カ所か聞知している...
柳田国男 「海上の道」
...この団体の完全な秘密組織のために遮断されて夢にも聞知していなかったそうであります...
夢野久作 「暗黒公使」
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