...夢六の行状については聞知つてゐたので...
心猿 「露伴忌」
...又初代の母親や近所の人達から聞知った所などを綜合(そうごう)すると...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...――偶々島津侯の邸内に月々理化學の講義があるのを聞知し――一日偶々同邸において和蘭人に出會し...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...これより先わが身なほ里昂(リオン)の正金(しょうきん)銀行に勤務中一日公用にてソオン河上(かじょう)の客桟(きゃくさん)に嘲風姉崎(ちょうふうあねざき)博士を訪ひし事ありしがその折上田先生の伊太利亜(イタリア)より巴里に来(きた)られしことを聞知りぬ...
永井荷風 「書かでもの記」
...其後風邪の由聞知りたれば見舞に行きしなり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...種彦は菱垣船(ひしがきぶね)や十組問屋仲間の御停止(ごちょうじ)よりさしもに手堅い江戸中の豪家にして一朝(いっちょう)に破産するものの尠(すくな)くない事を聞知っていた処から...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...越中島に持つて行つて燒き拂はれた――これだけの事はお前も聞知つて居るであらうな」「へエ――...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ウロ覺えの新聞知識で天文學者の卵でもあるかのごとく案じ...
長谷川時雨 「あるとき」
...終(おはり)は人の物笑ひに今では名を知る人もなしとて父が常住歎(なげ)いたを子供の頃より聞知つておりました...
樋口一葉 「にごりえ」
...事実のところを聞知りたいというので...
久生十蘭 「湖畔」
...嵐璃昇の刑期満ちての行動も亦その犯罪経路と共に私は全くに此を聞知してゐないが...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...その作風に大いなる影響を与へられたと聞知つてゐたからだつた...
正岡容 「吉原百人斬」
...次に文渓堂(ぶんけいどう)及(また)貸本屋などいふ者さへ聞知りて皆うれはしく思はぬはなく...
正岡子規 「墨汁一滴」
...明朝鹿之助の死を聞知り...
南方熊楠 「鹽に關する迷信」
...此年孟夏の女子の誕生とを聞知した時の書である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...わたくしの未だ聞知せざる牧の観察奈何(いかん)は姑(しばら)く措き...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...渋江保さんは当時の貞白の貧窶(ひんる)を聞知してゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...その自殺を聞知した私服の特高課...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
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