例文・使い方一覧でみる「聞分け」の意味

...私は毎日顔を剃りながら我とわが咽喉をかき切ってしまおうという聞分けのない衝動を感じた...
モオパッサン秋田滋訳「ある自殺者の手記」

...十一摩利信乃法師（まりしのほうし）はこれを見ると、またにやにや微笑（ほほえ）みながら、童部（わらべ）の傍（かたわら）へ歩みよって、「さても御主（おぬし）は、聞分けのよい、年には増した利発な子じゃ... 十一摩利信乃法師はこれを見ると、またにやにや微笑みながら、童部の傍へ歩みよって、「さても御主は、聞分けのよい、年には増した利発な子じゃの読み方
芥川龍之介「邪宗門」

...充分聞分けられる程度になる... 充分聞分けられる程度になるの読み方
江戸川乱歩「悪霊」

...急に口をつぐんでいつも教えられたように院長の言葉を聞分けようとでもするのか...
大阪圭吉「三狂人」

...坊ちやんはすべてに聞分けのよいお子さんで... 坊ちやんはすべてに聞分けのよいお子さんでの読み方
鈴木三重吉「桑の実」

...聞分け給ひしかや』... 聞分け給ひしかや』の読み方
高山樗牛「瀧口入道」

...生きた耳が聞分けるというよりも... 生きた耳が聞分けるというよりもの読み方
永井荷風「曇天」

...その申しわけがお聞き申してえんでございます」「聞分けのない者共だ...
中里介山「大菩薩峠」

...辛抱強く聞分けてその意味を拾い... 辛抱強く聞分けてその意味を拾いの読み方
中島敦「狼疾記」

...それをよく聞分けて見れば... それをよく聞分けて見ればの読み方
中島敦「狼疾記」

...多少謡を聞分ける耳を持っていた自分は... 多少謡を聞分ける耳を持っていた自分はの読み方
夏目漱石「行人」

...こら少し聞分けて呉れ... こら少し聞分けて呉れの読み方
樋口一葉「うつせみ」

...聞分けもつかぬ底のワーツといふ歓声があがります... 聞分けもつかぬ底のワーツといふ歓声があがりますの読み方
牧野信一「早春のひところ」

...論語に出て居る公冶長と云ふ人も雀の聲を聞分けると云ふことであるが是れも其の通りである...
松本文三郎「印度の聖人」