...彼も縁の近い芸人として聞き耳を立てた...
岩野泡鳴 「猫八」
...三郎は先刻より頭をもたげ眼をぱちぱちさせながら聞き耳をたてていたのであった...
太宰治 「ロマネスク」
...さっき障子の陰で聞き耳を立てていたのは...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...迂濶(うかつ)に聞き耳を立てるわけにも参りませなんだが...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...太鼓の音に聞き耳を立てて...
豊島与志雄 「田園の幻」
...別に聞き耳を立てたわけではなく...
豊島与志雄 「花子の陳述」
...だれかが手に蝋燭を持ち聞き耳を立てているのだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...一人が聞き耳を立てて叫んだ...
南部修太郎 「猫又先生」
...二人の友人はしばらく両手の動きをすっかりとめたまま聞き耳を立てていたが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...真夜中に階段で聞き耳をたてる者...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...もし――」フィルが急につぶやきを止めて、聞き耳を立てた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...十四号のドアの外に聞き耳を立てたが...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...(F・O)○=(F・I)左衛門の宅七兵衛が襖の外で聞き耳立てる...
山中貞雄 「なりひら小僧」
...だからおとなしく待ってるのよ」「泣かないでか」宇乃は聞き耳をたてた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...率八の話に聞き耳をたてていた間に...
吉川英治 「江戸三国志」
...呉の陣中に北兵がいるのはいぶかしいと蒋幹はいよいよ聞き耳をそばだてていた...
吉川英治 「三国志」
...義朝殿とのあいだに生(な)した子か」などと聞き耳を欹(そばだ)てた...
吉川英治 「源頼朝」
...ふいにその手で判事の手を押えて聞き耳を立てた...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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