...そこに聊かの怪訝をも感じてはゐないやうに見える...
有島武郎 「描かれた花」
...足人は心には聊か敵意もあつて...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...聊か離れた話を話し合うてる...
伊藤左千夫 「奈々子」
...家屋の内に於ては聊か之を聞く事あれども蚊帳を用うるを要せず蝉声の如きも甚だ稀なり...
太宰治 「津軽」
...815されば進んで聊かも隱さず君に打明けむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...頗る兒戲に似たりと雖も又聊か益なしとすべからず...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...聊か持てあまし気味である...
外村繁 「打出の小槌」
...心に聊かの屈託もないらしい...
豊島与志雄 「好人物」
...聊かの変りもありませんでした...
豊島与志雄 「白藤」
...つまり、二人の間には、見解の相違とか意見の衝突とかは、聊かもないのだ...
豊島与志雄 「憑きもの」
...それが突然、秘密の荷物というのを持ちこんで来たのだから、私は聊か呆れた...
豊島与志雄 「田園の幻」
...聊かの詮索心もなく...
豊島与志雄 「三木清を憶う」
...茲に聊か述べて見たいと思ふ...
内藤湖南 「日本上古の状態」
...これもかなり旧い邸ではあったが、傘屋町のものに比すれば、聊か好いので、家族等も少々安んじた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...相手は聊か此方の熱心に不審を抱いたものか...
西尾正 「陳情書」
...千歳の松も限りあればや昔の縁乍(たちま)ち消えうせて木も枝もやけこがれさも物うげに立てるあはひに本堂のみ屹然として聊かも傷はざるは浪花堀江の御難をも逃れ給ひし御仏の力...
正岡子規 「かけはしの記」
...自ら全力を盡し得たことは聊か快心に思はざるを得ない...
村越三千男 「大植物圖鑑」
...今では聊か不完全の姿になつてゐる...
和田萬吉 「父兄の方々に」
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