...聊か傾せざる能はざりき...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...聊かの狐疑も要せぬ...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...それから七日の日にはわざわざでない上野辺に聊か用事があったので...
伊藤左千夫 「根岸庵訪問の記」
...聊か御苦心を御慰藉申上度と存じ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...聊か注意す可き、は恐らく『古事記』明宮(アケミヤ)の段に、見ゆるものならん...
高木敏雄 「比較神話学」
...それ故現在の能舞台の明るすぎる電灯の下では聊か作者の企図したところと相違するものとなる...
高村光太郎 「能の彫刻美」
...吾等茲に聊か従来の実情及現在の状態を開陳して非常歎願を敢てするの理由を言明せんと欲す...
田中正造 「非常歎願書」
...寧ろ彼の言葉は聊か奇矯に過ぎるだろうと考えました...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...頗る兒戲に似たりと雖も又聊か益なしとすべからず...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...周囲に対する顧慮を聊か示すことが多くなったようで...
豊島与志雄 「或る夜の武田麟太郎」
...自分でも聊か淋しい...
豊島与志雄 「随筆評論集「文学以前」後記」
...聊かも取乱したところがなかった...
豊島与志雄 「父の形見」
...先刻のような感銘は聊かも得られなかった...
豊島与志雄 「復讐」
...前と聊かの変りも乱れもないことが分った...
豊島与志雄 「紫の壜」
...聊かの風波があればこれに乗じてなるべく船の動揺を烈しくし...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...秩序とか規律とか云ふものの精神を聊か知得した...
平出修 「公判」
...聊かでも描く処に踏み入る...
水野葉舟 「言文一致」
...彼亦聊か安んずるところなかる可らず...
横瀬夜雨 「花守」
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