...何かを耳打ちした...
海野十三 「恐怖の口笛」
...かつ子が、自分が盛んに咳いてゐるのをつらさうに聞いてゐたが、近づいて来て、早く帰つて臥(ね)るといいわ、ほかへ廻つちや駄目よ、と耳打ちした...
武田麟太郎 「現代詩」
...今日初めて友達のマシアス・モリナーレ夫人に耳打ちされて...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...幸子は、そうこうするうち夫が帰宅する時間ではあり、悦子が又、今時分から何しに行くのかとうるさく聞きたがるであろうことを顧慮して、ではまあ雪子ちゃんに任せるよって、あんじょう云うて帰って貰いなさい、と、そう云って電話を切ったものの、雪子では結局何も云い出さないでしまうことが分っているので、あれからどうなったであろうかと、一と晩じゅう気になりながら、ついそれなりに、電話を懸ける折も得られずに夜を更(ふ)かしてしまったが、十一時頃に夫のあとから二階の寝室へ上ろうとすると、お春がそっと寄って来て、「あれから一時間程してお帰りになったそうでございます」と、耳打ちをした...
谷崎潤一郎 「細雪」
...「どうやら御重役のお微行(しのび)らしい」木戸番が頭取(とうどり)に耳打ちをしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ちょっと耳打ちをしたかと思うと...
中里介山 「大菩薩峠」
...「あの野郎じゃありませんか」八五郎は平次に耳打ちしました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何か耳打ちをしてゐる...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...何やら小聲で耳打ちしてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...幼い道綱をお呼び出しになって何か耳打ちをなすっていらしったが...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...そのうちに「あちらへ」と女が耳打ちをすると千万長者も元代議士も次々に...
牧野信一 「円卓子での話」
...ヘェ」つれに振向いて耳打ちし先へやって...
宮本百合子 「高台寺」
...そこで真赤になって苦笑している妻の松子に耳打ちして...
夢野久作 「少女地獄」
...いつもの通り静かに役儀に就くように」こういうと側に居合した二人の同心に何か耳打ちをした様子...
吉川英治 「江戸三国志」
...侍臣がそっと彼に耳打ちした...
吉川英治 「三国志」
...殿のお耳打ちもありましたことゆえ...
吉川英治 「私本太平記」
...……?」「では何だ」「美保ヶ関でお耳打ちのことは」「あれは取り消す」道誉はあっさり言ってのけた...
吉川英治 「私本太平記」
...「……来た」「あれか」耳打ちし合いながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
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