...いいかい? 口を閉じて! じっとしている! 聞き耳を立てるんだ...
東健而訳 大久保ゆう改訳 「瀕死の探偵」
...聞耳を立てるとすつと遠退いてしまふ夜の囁きが海からも空からも聞こえはじめた...
有島武郎 「潮霧」
...日向さんと同じ車でしたらう?』『え?』と静子が聞耳を立てる...
石川啄木 「鳥影」
...日向さんと同じ汽車でしたらう?』『え?』と靜子が聞耳を立てる...
石川啄木 「鳥影」
...目を泣き耳を立てるというふうであるのだ...
伊藤左千夫 「去年」
...仔馬は急に耳を立てると...
犬養健 「亜剌比亜人エルアフイ」
...ノラ (リンデン夫人の方へ行きながら)クリスチナさん――(聞耳を立てる)しつ! トルルトが歸つて來た...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...「オヤ」と思って、聞耳を立てると、「助けて! 助けて! 大江先生助けて!」という、恥も外分(がいぶん)もない叫び声は、確かに夏子未亡人だ...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...迂濶(うかつ)に聞き耳を立てるわけにも参りませなんだが...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...通りかかった私は立ち止まって耳を立てる...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...自分はふと耳を立てると...
寺田寅彦 「雪ちゃん」
...声を止めて返事に聞き耳を立てるが...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...次の間の様子に耳を立てるのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...思わず聞き耳を立てるような気でいるところ...
中里介山 「大菩薩峠」
...心配そうに聞き耳を立てる...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...偶(ふ)と耳を立てると...
眞山青果 「茗荷畠」
...韮山 (いたけだかに)持っている! 持っている人が、どうして、こんな具合に、弁護士に頼んで銀行の方だけに家屋から家財一式を、そっちの方だけに、封印を貼らせてしもて、私の方で債権を実行しようとしても手も足も出ないように、でけます? しかも、話を附けようと私がこれほど追い廻しているのに、逃げかくれして歩くことが、どうして、でけます?三好 金さえ有れば問題無いでしょう?韮山 そりゃ、金が有れば、金が有れば、私の方は、もともと、――(フッと言葉を切り、聞き耳を立てる...
三好十郎 「好日」
...耳を立てる‥‥柔らかな...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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