...耳をすますと、島のまわりには、うちよせている波の音とちがった、ドドドド……という、きみの悪いひびきが、どこからか、聞こえてきます...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...耳をすますと、気のせいか、ボーと燃え上る炎の音まで聞こえて来る...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...耳をすますというありさまです...
江戸川乱歩 「大金塊」
...耳をすますと、シーンとしずまりかえっていて、なんのもの音もありません...
江戸川乱歩 「超人ニコラ」
...トレープレフ (耳をすます)足音が聞える...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...耳をすます)なんて暗いんだ! なぜこう胸さわぎがするのか...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...耳をすますとごうごう鳴りどよむ水音の間々(あいあい)にかすかに櫓の音が聞える...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...そしてあたりがしいんとしてきて、耳をすますと、まだ外には、仲間がいくたりも、十も百も千も、たくさんいるらしんです...
豊島与志雄 「山の別荘の少年」
...一人ではなく二人の跫音(あしおと)らしいと耳をすます間もなく...
永井荷風 「ひかげの花」
...じいっと耳をすますと隣室やほうぼうの部屋々々の壁をとおして...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...たましひが耳をすますと...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...耳をすますと、切々たるその叫声は、人殺し人殺しと連呼しているように聞きとれるのである...
久生十蘭 「魔都」
...「どうして、わかる?」「安養寺(あんようじ)の鐘が鳴りよる」そういわれて、耳をすますと、未明の空気の奥底に、余韻をながく引いた鐘の音が、かすかに、ひびいていた...
火野葦平 「花と龍」
...(耳をすます)須永 ……(これも耳をすましていてから)誰も来やあしないさ...
三好十郎 「冒した者」
...遠い方へ耳をすますようにしている桃子...
三好十郎 「冒した者」
...ぼうぜんとふしぎそうに耳をすます軍兵の眼ばかりが光り合う...
吉川英治 「神州天馬侠」
...耳をすますと、こう聞えた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...――耳をすますと...
吉川英治 「源頼朝」
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