...十間四方の本堂、仁王門をひかへ、觀音堂をひかへ、一切經藏をひかへ、鐘樓をひかへて、老杉の森の中に、燦然として光る...
大町桂月 「鹿野山」
...老杉の間を行きつくせば...
大町桂月 「冬の榛名山」
...連なれる老杉と高さを競ひ...
大町桂月 「冬の榛名山」
...堂前老杉の偉大なること...
大町桂月 「北條より一ノ宮へ」
...老杉、石壇を狹み、左右にひろがる...
大町桂月 「妙義山の五日」
...真っ闇な老杉に囲まれて...
橘外男 「仁王門」
...老杉しん/\と並び立つてゐる...
種田山頭火 「旅日記」
...此の小屋の上に聳えた美しい老杉までが其爲に物凄く恐ろしく無氣味なものに感ぜられた...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...墓地本道の左右に繁茂していた古松老杉も今は大方枯死し...
永井荷風 「上野」
...上野公園の老杉古松の枯れ行くさま予想以上なり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...老杉の境を出でて樺木科(かばのきか)の密林をよぎると...
中里介山 「大菩薩峠」
...背後に老杉の茂(しげ)った林があったので...
萩原朔太郎 「小泉八雲の家庭生活」
...そうした荒れ寺の一軒、老杉の、昼も暗く茂った下かげに、壁すら落ちて、その破れ目からすさまじい初冬の月も差し込みそうなのが、鉄心庵(てっしんあん)――前住が建てて、四十年あまり、谷中で鉄心といえば、この世の者でないほどの脱俗ぶり...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...老杉の間から夏緑の影が鮮かである...
村山俊太郎 「平泉紀行」
...老杉の梢で何鳥だか...
村山俊太郎 「平泉紀行」
...とつつきに三本の老杉が立つてゐて...
室生犀星 「京洛日記」
...老杉夾レ路無二他樹一...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...霧の中に包まれた老杉と踏(ふ)み蹂(にじ)られた羊歯(しだ)の一条の路とであった...
横光利一 「日輪」
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