...その老巧な松井佐渡も...
薄田泣菫 「小壺狩」
...そういう時には最も老巧な猟人といえども一言もない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...彼が老巧な眼識を以て見れば...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...そこでかなり正確な数理と、着実とを以て、諄々(じゅんじゅん)と話しつつあるにかかわらず、七兵衛の頭におのずから熱を伝え、実際的に信頼のできる根拠があるだけに、七兵衛のロマン味をも刺戟すること一方ではないと見え、老巧な七兵衛が、海を説かれて、少年のような興味を植えつけられて、勇みをなした有様が、瞭々としてわかります...
中里介山 「大菩薩峠」
...老巧なバルフォーア卿がいて円滑にこれを捌(さば)き...
新渡戸稲造 「国際聯盟とは如何なものか」
...さすがに老巧な物の考えようをします...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...さぞ迷惑だったろう」遅れて飛んで来た目黒の兼吉――これは老巧な良い御用聞で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...堀周吉は老巧な用人らしく口を緘(つぐ)んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...老巧な番頭の藤六が斯う言ひきるのは仔細(しさい)のあることでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次を一敵國にしてゐる老巧な御用聞...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少し漏らし給えよ」老巧な記者達は...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...老巧な植木やの手なみが窺われていた...
室生犀星 「庭をつくる人」
...ところが一人ごく老巧な警察官がいて...
柳田国男 「故郷七十年」
...お粂はその老巧な話しぶりに少しの疑惑もはさみません...
吉川英治 「江戸三国志」
...武士という気持に生きている金吾様自身の心もゆるすまい」九兵衛がその老巧な弁にまかせて...
吉川英治 「江戸三国志」
...さすが老巧な黄蓋(こうがい)である...
吉川英治 「三国志」
...秀吉はもちろんそれに対して、老巧な臣と、勇敢なる若手の将を、部隊部隊に配しはしたが、総大将としては、「於次(おつぎ)にそれを命じる」と、発表したのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...老巧な詭計(きけい)にかかるな」と...
吉川英治 「新書太閤記」
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