...老いて来ると、人間はとかく長い手紙を書きたがる...
梅崎春生 「狂い凧」
...」「うん、未だ老いずだ...
太宰治 「津軽」
...この荒涼の心象風景への明確なる認定が言わせた老いの繰りごと...
太宰治 「二十世紀旗手」
...姫の老いたる父君の感謝...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...「しからばせがれの新兵衛を世話してやろう」とかさねて御じょうがござりましたときに、美作どの御子息しんべえどのをかえりみられ、「いや/\、御辞退申した方がよいぞ、殿にだまされてわるびれてはならぬぞ」と申されましたので、から/\とおわらいなされ、「老いぼれめ、己をうたがっているな、そんなに己がうそつきに見えるか」と仰っしゃって、そのゝちほんとうに新兵衛どのをお取りたてになりました...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...若いのも老いたのも皆なぞろ/\とかれの後について...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...彼は人を死に連れてゆくことで年老いている...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...ルイザはしだいに老いていった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...老いたる者は死に...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...日本の風土気候は人をして早く老いさせる不可思議な力を持っている...
永井荷風 「正宗谷崎両氏の批評に答う」
...年老いてアモン・ラーの心を体したといわれる高僧も...
中島敦 「セトナ皇子(仮題)」
...彼の母ぐらいの年配の老いたる婦人も...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...そんな花が吹いてゐることにその度にはじめて氣のついたやうな顏をする老いたる父親だつた...
堀辰雄 「おもかげ」
...老いたる孤軒はなだめるように見て...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...日本の老いも若きも...
宮本百合子 「明日を創る」
...この老いぼれの中にもわたしを力と頼む一つの若い生命があるのだと気がつくと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その女もまた年老いて子なく...
柳田国男 「遠野物語」
...若きものが老い、熱烈な恋が冷め、かくて身も心も移り行いて、畢竟生まれたものは死ぬ、というこの現実の状態は、彼らにとって、現実であるがゆえに当然なのではなかった...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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