...六祖慧能(えのう)かつて二僧が風に翻る塔上の幡(ばん)を見て対論するのを見た...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...神聖な富士山の頂きには大日章旗が翻るという風景が...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...午後門外を歩むに耕したる水田に鳥おどしの色紙片々として風に翻るを見る...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...中立旗が門の所に翻る...
中島敦 「光と風と夢」
...白地に赤き日の丸の旗翻るニース海岸...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...夜は MAJESTIC-PALACE の広間に翻る孔雀服(パウアンヌ)の裳裾(もすそ)...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...何か気分が颯爽と翻るのを覚えて返事するやいなや...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...旌旗の翻る処、彼の行動は天馬空を征くの趣があつた...
牧野信一 「悲しき項羽」
...第三の窓は空に翻る翼の水の切り具合を研究するために技師が半身を乗り出して空を見あげる場所であつた...
牧野信一 「沼辺より」
...風に翻る鶴子の髪の毛が彼の頬を打つた...
牧野信一 「陽に酔つた風景」
...銀色の翼が陽(ひかり)をうけて翻ると...
牧野信一 「岬の春霞」
...屋上の星条旗の翻る音がはた/\と聞えるかのやうな長閑な芝生の隅で青年は故国の草葺の屋根からの便りを展いてゐました...
牧野信一 「私の万年筆」
...赤く翻るプラカートを見た...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...我々の詩集の頁が音をたてて翻るようです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...源氏をはじめ高官などの脱いで与える衣服の数が多くてそこにもまた秋の野の錦(にしき)の翻る趣があった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...藍染の湯帷子の袖が翻る...
森鴎外 「杯」
...翻るように身を躍(おど)らせて...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
...翻る度びに肩越しに閃めく真紀子の眼が青く光っては遠ざかりうっとりとした半眼でまた顕れる...
横光利一 「旅愁」
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