...渠にうち込んでゐた一妓がその愛翫する金魚...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...細(つぶ)さに一字一句を翫味研究して盛んに嘖々した...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...美妙斎や紅葉の書斎のゴタクサ書籍を積重ねた中に変梃(へんてこ)な画や翫弄物(おもちゃ)を列(なら)べたと反して...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...その地方の人々が如何に賞翫しても...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...これが特に秋の空の澄み渡るのを賞翫(しょうがん)するのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...将軍家殊に之を賞翫せしめ給ふと云々...
太宰治 「右大臣実朝」
...数年を経てようやく先代を恥(はず)かしめぬ鶯を養成しこれを再び天鼓と名づけて愛翫(あいがん)した「二代目の天鼓もまたその声霊妙(れいみょう)にして迦陵頻迦(かりょうびんが)を欺(あざむ)きければ日夕籠を座右(ざゆう)に置きて鍾愛(しょうあい)すること大方ならず...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...芸術が公衆的翫賞に供せられずして私人的であるために小規模のものとなり...
津田左右吉 「偶言」
...この頃ふとした事から思いついた翫具(おもちゃ)の工夫に頭脳(あたま)を浸して...
徳田秋声 「あらくれ」
...子供は翫具を持って一人で遊ぶようになっていた...
徳田秋声 「黴」
...今そこの翫具屋(おもちゃや)で買ったばかりのセルロイドの風車を赤ん坊に見せながら...
徳田秋声 「縮図」
...然しトルストイは理想を賞翫(しょうがん)して生涯を終(おわ)る理想家で無い...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...先代芝翫(しかん)の松前鉄之助と仲間嘉兵衛...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...これも素人画としていくらかの人に賞翫せらるる事にもなった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...称翫(しょうがん)するは和漢古今の通例なれども...
中谷宇吉郎 「雪」
...白廻(せりふま)はしは芝翫の方は論外にて...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...しばしば人に咬み付く故十分愛翫するに勝(た)えずとは争われぬが...
南方熊楠 「十二支考」
...嬌めきたる翫具となりし...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
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