...岡は上手(じょうず)に入れられた甘露(かんろ)をすすり終わった茶(ちゃ)わんを手の先に据(す)えて綿密にその作りを賞翫(しょうがん)していた...
有島武郎 「或る女」
...研究翫味する時は...
上田敏 「『新訳源氏物語』初版の序」
...西鶴の作にも軽焼の名が見えるから天和(てんな)貞享(じょうきょう)頃には最う上方人(じん)に賞翫されていたものと見える...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...二葉亭も来る度毎(たんび)に必ずこの常例の釜揚を賞翫したが...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...然レドモ東山ノ勝ニ至ツテハ則愛翫シ娯樂セザルヲ得ズ...
永井荷風 「十年振」
...局部局部を断片的に賞翫(しょうがん)すればよいという説――二宮君のような説ですが...
夏目漱石 「虚子君へ」
...芋中(いもちゅう)のヽヽとも云わるべきこの御薩(おさつ)を快よく賞翫(しょうがん)する食欲は十分有ったように思う...
夏目漱石 「坑夫」
...その代り沙翁の劇を賞翫(しょうがん)する態度でかかってはならぬ...
夏目漱石 「作物の批評」
...芸術品を骨董的に愛翫する人なら知らず...
南部修太郎 「現代作家に対する批判と要求」
...無論自分の翫賞のためのみではなく...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...三伊勢佐木町の喜楽座へは芝翫(しかん)...
正岡容 「寄席」
...ベースボールはもと亜米利加(アメリカ)合衆国の国技とも称すべきものにしてその遊技の国民一般に賞翫(しょうがん)せらるるはあたかも我邦(わがくに)の相撲(すもう)...
正岡子規 「ベースボール」
...四時翫好蕪靡愛すべし...
南方熊楠 「きのふけふの草花」
...その頃は殊に賞翫したのだ...
南方熊楠 「十二支考」
...僕の家のは別製だから一つ試み給え」客は早速賞翫(しょうがん)し「なるほど格別の味がする...
村井弦斎 「食道楽」
...賞翫(しょうがん)する場合のほうが昔から多く...
柳田国男 「母の手毬歌」
...ただ過去の思ひ出を愛翫してゐるにすぎない弱いものがあるだけだつた...
横光利一 「悲しみの代價」
...美言佳句に興ずるごときものは「ただ言語(ごんご)ばかりを翫(もてあそ)んで理を得べからず」...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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