...他人の云ふことを一々頭の中で翫味(がんみ)したりしてゐる人なんかはまあないといつてもいゝ位だと私は思ふ...
伊藤野枝 「感想の断片」
...ドコにあっても椿岳の画は粗末に扱われて児供(こども)の翫弄(おもちゃ)となり鼠の巣となって亡びてしまったのがかなり多いだろう...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...翫具(ぐわんぐ)には用うる所さま/″\あるべし...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...もっとも今日と昔とでは啼きごえの聴き分け方や翫賞(がんしょう)法が幾分異なるらしいけれどもまず今日の例をもって話せばケッキョ...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...芸術が公衆的翫賞に供せられずして私人的であるために小規模のものとなり...
津田左右吉 「偶言」
...苟も美術として之れを賞翫(しやうぐわん)するにあたり...
綱島梁川 「国民性と文学」
...そのころ出たての針金を縮ませて足を工夫した蜘蛛(くも)や蛸(たこ)の翫具を持って来て...
徳田秋声 「黴」
...一口も賞翫(しょうがん)したことがねえんでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...勘考さるべきものでも翫味さるべきものでもない...
中原中也 「宮沢賢治の詩」
...もしくは滑稽踊(こっけいおどり)として賞翫(しょうがん)されているらしい...
夏目漱石 「明治座の所感を虚子君に問れて」
...芝翫の源兵衛堀の源兵衛...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...つまりアビシニア人は生きた牛から切り取ってその肉を賞翫するのだ(一八五三年版...
南方熊楠 「十二支考」
...またその肉を常翫するから満更(まんざら)丸損(まるそん)にならぬ...
南方熊楠 「十二支考」
...翫味百遍...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...反覆翫味したかも知れない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...茶山は夜もすがら池を繞(めぐ)つて月を翫(もてあそ)んだ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...独楽(こま)を翫(もてあそ)びつゝありし時に於て作られし著述なることを思へば非難の情は愛翫の情に打勝れざるを得ず...
山路愛山 「明治文学史」
...能楽成立以前能の曲の内容をよくよく翫味(がんみ)してみると...
夢野久作 「能とは何か」
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