...春の眞中に散りにし人の羨まるゝ哉...
高山樗牛 「瀧口入道」
...春琴の繊手(せんしゅ)が佶屈(きっくつ)した老梅の幹をしきりに撫(な)で廻す様子を見るや「ああ梅の樹(き)が羨(うらやま)しい」と一幇間が奇声(きせい)を発したすると今一人の幇間が春琴の前に立ち塞(ふさ)がり「わたい梅の樹だっせ」と道化(どうけ)た恰好(かっこう)をして疎影横斜(そえいおうしゃ)の態(てい)を為(な)したので一同がどっと笑い崩(くず)れた...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...自分たちの身に引きくらべてその幸福が羨(うらや)ましくもあり...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...羨ましい家庭であつた...
種田山頭火 「旅日記」
...今では却つてそこに戻つて行く藤母子がたまらなく羨しいのであつた...
田山花袋 「道綱の母」
...僕たちはどこまで文明に毒されているのだ! ああ僕はじつに野蛮人が羨ましい...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...羨(うらや)ましい死に様である...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...羨望的な競争が現われて来る...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...時々フイルムの切れつぱしを持つて来てみんなを羨しがらせた...
中原中也 「金沢の思ひ出」
...嗚呼一人ノ奢ハ千万人ノ羨ミナリ...
成島柳北 「阿房山賦」
...娘の死を素直に受けとめている姿が羨(うらやま)しかった...
原民喜 「死のなかの風景」
...凡そ他人の為す所にして我身の利害に関係なきことを羨(うらや)み...
福沢諭吉 「女大学評論」
...お政は羨(うらや)ましいと思う心を...
二葉亭四迷 「浮雲」
...」「羨しいなア!」と...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...羨望のかぎりであり...
牧野信一 「湖の夢」
...今更羨やんだところで詮ないことでございます...
矢田津世子 「旅役者の妻より」
...まことに羨望にたへない...
吉川英治 「折々の記」
...羨やましいだらう」などと長い文章で私をからかツて來たものだが...
吉川英治 「折々の記」
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