...たいていのことは胸(むね)のうちに処理(しょり)して外に圭角(けいかく)をあらわさない美質(びしつ)を持っている...
伊藤左千夫 「告げ人」
...その所有している稀(まれ)な美質に依って犯されたのです...
太宰治 「人間失格」
...しかも、その美質は、夫のかねてあこがれの、無垢の信頼心というたまらなく可憐(かれん)なものなのでした...
太宰治 「人間失格」
...さまざまな美質も持って生まれていたらしい...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...ただ美質のほうはいつも陰にかくれてばかりいて表面にあらわれず...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...大缺陷あれども亦大美質あり豈杓子定規を以て彼を酷論す可けむや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...大欠陥あれども亦大美質あり豈杓子定規を以て彼を酷論す可けむや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...自己の有する美質を...
中里介山 「大菩薩峠」
...お重は何でも直(じき)むきになる代りに裏表のない正直な美質を持っていたので...
夏目漱石 「行人」
...美質はいっそう発揮され...
久生十蘭 「湖畔」
...数々の美質を具へたが上にも多分の好奇心に恵まれてゐた蒸溜人(こして)は...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...ひとの美質とその生動をより深くと理解してゆけるようになるということは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...自分に我慢偏執(がまんへんしつ)の心がなければ何時(いつ)でも素直に出来るけれども今の若い女はとかくこの素直という美質を欠いておる...
村井弦斎 「食道楽」
...あの美質があるから僕は将来の大成を期している...
村井弦斎 「食道楽」
...なぜなれば真の貴女(きぢよ)は是(これ)等多数の低級なる而(さ)うして美質に満ちた婦人の間から将来益(ます/\)発生する事を期待するからである...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...必ず真の貴女(きぢよ)は本来の美質に富む是(これ)等多数の婦人から起(おこ)つて来る事を疑ひません...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...ほんとの美質といふものであらう...
吉川英治 「折々の記」
...体格が大きい上にあらゆる美質を備え...
和辻哲郎 「鎖国」
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