...官員さんの奥様らしくもなしと眼を(みは)って美貌と美装に看惚(みと)れたもんだ...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...これも私が万平ホテルに初めてナリン太子を訪問した時に何か太子と深い交渉のあるらしい美装の一貴婦人に怪訝(けげん)な思いを懐(いだ)いたことを記憶しておいでであろうか...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...MISS(ミス)・キャゼリンはすなわちその時にジャヴェリと応接間で話をしていたあの美装の貴婦人なのであった...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...此の『シラノ猿猴格闘録』は小型の渋い美装本であるが...
辰野隆 「書狼書豚」
...コサックと農民と労働者が美装の史書へしるした大きな黒い手のあとだ...
谷譲次 「踊る地平線」
...妖精であるその教母がシンダレラに魔法で美装させて王宮の舞踏会に行かせ...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...労働最中に美装(びそう)した都人士女の訪問でも受けると...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...美装の人々が立ち並び...
豊島与志雄 「母親」
...アンダアソンは次いで千八百六十六年 The Pictorial Arts of Japan(『日本画論』)と題する美装の書(Edition du Luxe)二巻を著しまた同年英国美術館の購求せし支那及び日本画の目録を編纂(へんさん)して精細に説明する処あり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...また別に美装したる Masters of Ukiyoye(『浮世絵の名家』)の著あり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...ことさらに美装して...
夏目漱石 「門」
...今し昇つたばかりの日輪に向つて美装を誇つてゐる時のやうに...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...様ざまの催し物――美食と美装の限りをつくした「推進(プロペラ)する社交室」だ...
牧逸馬 「運命のSOS」
...部落部落の娘たちをすっかり美装させ...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...円や三角など色彩を施して美装し...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...俳優のようににやけて美装している内官は...
吉川英治 「三国志」
...美装した武士の列に護られて...
吉川英治 「三国志」
...金と紅で美装した闘牛士の群が騎馬で出て来て...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
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