...それに釣りこまれた良平もいつか膳(ぜん)を置きざりにしたまま...
芥川龍之介 「百合」
...倉地はそれを感づいているのだのにと葉子は置きざりにされたようなやり所のないさびしさを感じていた...
有島武郎 「或る女」
...アルプスのガイド達は登山中如何なる事情があってもアイスアックスを置きざりにしてはならぬという不文律を固く守るのだそうである...
石川欣一 「山を思う」
...置きざりにされている...
梅崎春生 「狂い凧」
...彼はひと言の挨拶もなく彼の善良な仲間を置きざりにするであろう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...希望を置きざりにした人間のあわれな残骸が暗い谷にはいりながら...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...置きざりにされようとしている...
太宰治 「佐渡」
...矢張り車夫として洗練されている良さんの足は後へ後へと行人を置きざりにして行くのである...
富田木歩 「小さな旅」
...おまけに昨夜(ゆうべ)は私をあんな室に置きざりにして……...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...私と静子とを長い間置きざりにすることがあった...
豊島与志雄 「運命のままに」
...ちょっとの間一人置きざりにされていたので...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...クリストフはオットーを置きざりにして逃げ出そうとまでした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...卑劣にも置きざりにしたことを彼らに不平言い...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...二人を置きざりにしたことを詫(わ)び...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...私は一人置きざりにせられたような気がした...
豊島与志雄 「理想の女」
...置きざりにされている感覚がまたパッと大きく口を開いた...
原民喜 「秋日記」
...置きざりに一人足を早めぬ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...そしていつもその鬼ごっこから置きざりにされるのは少年の方であった...
堀辰雄 「菜穂子」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??