...籠(にはとりのかご)を罩(ふせ)てかの蜘蛛(くも)をとらへしに腹(はら)に夜光珠(やくわうのたま)在(あり)...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...冬(ふゆ)に暖爐(だんろ)が烟(けぶ)つて炭氣(たんき)に罩(こ)められたものと見(み)える...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...柳麗玉は尊敬を罩(こ)めて見惚れている...
林不忘 「安重根」
...その屋内にはいつもこう云う闇が狭霧の如く立ち罩(こ)めていたのであろう...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...朦朧(もうろう)と立ち罩(こ)める中に...
谷崎潤一郎 「秘密」
...殆んど一世を籠罩(ろうとう)するの概あり」と...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...ただ物の影が深く立ち罩めていた...
豊島与志雄 「群集」
...あたりに罩(こ)めてる闇(やみ)の中で見ることを覚え...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...何かもやもやと立罩めている頭脳の一部が晴れて...
豊島与志雄 「立枯れ」
...夕暮の仄暗い靄が沼の上に立ち罩めると...
豊島与志雄 「湯元の秋」
...力を罩(こ)めて靄(もや)の中へ投げ込んでみました...
中里介山 「大菩薩峠」
...割れたコンクリートの窪(くぼ)みには死の異臭が罩(こも)っていた...
原民喜 「鎮魂歌」
...成吉思汗(ジンギスカン)(侮蔑を罩(こ)めた合爾合(カルカ)姫の視線に負けて...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...湿気(しめりけ)を持った夜風がしっとりと公園に立罩(こ)めていた...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...やがて黙って宏子の肩を一つ情を罩(こ)めてたたいて出て行った...
「海流」
...胸に沁みいるようにあたりに罩(こも)っていたからであった...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
...覆(おお)いかぶさるように空を罩(こ)め...
蘭郁二郎 「自殺」
...あたりを罩(こ)めていた...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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