...猶人と人との間にはこれほどの罅隙(ギヤツプ)があるかと思へば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...その罅隙は、義雄自身には、暗い死の影におほはれてゐる三途(さんづ)の川の樣だ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...加ふるに絶崖の罅隙(かげき)を穿(うが)ちて々(だう/\)深潭に落下する一小瀑あり...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...一書には鐘を鋳た後に羊の血をもってその裂罅(れっか)に塗るという意味に使われているそうである...
寺田寅彦 「鐘に釁る」
...岩石に関してはまだ皺襞(しゅうへき)や裂罅(れっか)の週期性が重要な問題になるが...
寺田寅彦 「自然界の縞模様」
...裂罅、あるいは「われめ」の生成は皺襞と対立さるべきものでやはり一種の不安定によって定まるものであろうが、このほうの研究はまだきわめて進捗(しんちょく)していない...
寺田寅彦 「自然界の縞模様」
...熔岩流の末端の裂罅(れっか)から内部の灼熱部(しゃくねつぶ)が隠見する状況の記述にふさわしい...
寺田寅彦 「神話と地球物理学」
...やはり側面の裂罅からうかがわれる内部の灼熱状態を示唆的にそう言ったものと考えられなくはない...
寺田寅彦 「神話と地球物理学」
...四 根底の罅隙(かげき)本書の物語が...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...船は珊瑚礁(さんごしょう)の罅隙(かげき)の水道を通って湾に入った...
中島敦 「環礁」
...すぐ罅(ひび)がは入った...
中谷宇吉郎 「九谷焼」
...ちっとも罅がいらぬようになった...
中谷宇吉郎 「九谷焼」
...最後に裂罅の底だから条件の変化も少くしてという風に考えて...
中谷宇吉郎 「雪雑記」
...石と石の罅隙(すきま)からは青草が風に靡(なび)いた...
夏目漱石 「道草」
...毀さないまでも罅(ひび)を入れるもののやうに思へてならなかつた...
北條民雄 「道化芝居」
......
堀辰雄 「鳥料理」
...花瓶には罅が入って了ったのである...
松永延造 「職工と微笑」
...たぶん罅(ひび)でも入ったのだろう...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
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