...湯のみにはとうに罅(ひび)が入つてゐる...
芥川龍之介 「わが散文詩」
...いらぬ罅(すきま)をば塞ぎ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...しかし勝ち誇るその瞬間の心にはもう罅が入っています...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...居酒屋の卓に罅(ひび)ができ...
太宰治 「ロマネスク」
...加ふるに絶崖の罅隙(かげき)を穿(うが)ちて々(だう/\)深潭に落下する一小瀑あり...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...船は珊瑚礁の罅隙の水道を通つて灣に入つた...
中島敦 「環礁」
...罅の深さと同じくらいの間隔で...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...何本かの罅(ひび)がはいった...
中谷宇吉郎 「寺田先生の追憶」
...この罅の中に氷が析出して厚みを増し...
中谷宇吉郎 「凍上の話」
...もっとも時(とき)には大形(おほがた)の土器(どき)に罅(ひゞ)がはひつたり破(わ)れたりした時(とき)...
濱田青陵 「博物館」
...そうしていま彼女のいる地上はあまりにも無惨に罅割(ひびわ)れているのだったが...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...見(み)ともない面(つら)を罅裂(えみわれ)そうに莞爾(にこ)つかせて立ってやがる...
二葉亭四迷 「平凡」
...さうして茶碗に罅(ひび)が入るやうな工合に...
堀辰雄 「山日記 その一」
...ピチリと裂罅(ひび)がはひつて...
宮沢賢治 「烏の北斗七星」
...機械的解釈を発生させる罅(ひび)の間から...
宮本百合子 「落ちたままのネジ」
......
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...頭が罅欠(ひびかけ)だらけになっても好(い)い」といって...
森鴎外 「渋江抽斎」
...源泉は岩罅(かんこ)より混々(こん/\)として出で来(きた)る...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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