...孰れにしても兩者の間にある非常なる罅隙を放置して...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...猶人と人との間にはこれほどの罅隙(ギヤツプ)があるかと思へば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...その罅隙は、義雄自身には、暗い死の影におほはれてゐる三途(さんづ)の川の樣だ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...それも別離の致命傷の罅が……」「そんなことが有ってたまるか」「大いに有りさ...
海野十三 「大脳手術」
...罅(ひび)や傷の有無を十分に確かめた上で...
海野十三 「東京要塞」
...罅のはいった大鏡二つ...
林不忘 「安重根」
...熔岩流の末端の裂罅(れっか)から内部の灼熱部(しゃくねつぶ)が隠見する状況の記述にふさわしい...
寺田寅彦 「神話と地球物理学」
...やはり側面の裂罅からうかがわれる内部の灼熱状態を示唆的にそう言ったものと考えられなくはない...
寺田寅彦 「神話と地球物理学」
...今ではもう大分前から方々に罅(ひび)が入ったり剥げたりして居る...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...ひつに大(おほ)きな罅(ひゞ)が入(い)つたのである...
長塚節 「土」
...これは墨の磨り口に出来る罅(ひび)の問題と考えられる...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...その下に在る土に非常に細かい罅(ひび)が沢山出来ることが分ったのである...
中谷宇吉郎 「凍上の話」
...そうしていま彼女のいる地上はあまりにも無惨に罅割(ひびわ)れているのだったが...
原民喜 「苦しく美しき夏」
......
堀辰雄 「鳥料理」
...表面に少しも細かい罅(ひび)が入っていない焼物がありましたら...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...一人は脛(すね)の骨に罅(ひび)が入っていた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...そのうえ二十七年の地震に罅(ひび)が入って鉄のタガ...
山本笑月 「明治世相百話」
...罅裂の入った巨岩が其処に立っていると見れば...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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