...猶人と人との間にはこれほどの罅隙(ギヤツプ)があるかと思へば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...唇には縦に罅(ひび)が入って...
石川欣一 「可愛い山」
...勝ちほこる心の罅(ひび)や秋の風私は今まで幾度か他に対する自分の勝利を謳歌(おうか)しました...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...――長崎の句として・ならんであるくに石だゝみすべるほどの雨(途上)(だん/″\すべるやうな危険を持つてきた!)□・冬曇の大釜の罅(ヒビ)(崇福寺)□・寺から寺へ蔦かづら(寺町)□・逢うてチヤンポン食べきれない(十返花君に)□・すつかり剥げて布袋は笑ひつゞけてゐる(福済寺)□・冬雨の石階をのぼるサンタマリヤ(大浦天主堂)二月五日晴...
種田山頭火 「行乞記」
......
富澤赤黄男 「天の狼」
...今ではもう大分前から方々に罅(ひび)が入ったり剥げたりして居る...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...彼(かれ)はくた/\に成(な)つた紙(かみ)を袂(たもと)から探(さぐ)り出(だ)してそれを睡(つば)で濡(ぬ)らして極(きは)めて面倒(めんだう)にぐる/\と其(そ)の罅(ひゞ)を捲(ま)いた...
長塚節 「土」
...丁寧にその罅を塗りつぶしていた...
中谷宇吉郎 「九谷焼」
...凍結線の下の軟い土に罅がはいっていたことは...
中谷宇吉郎 「凍上の話」
...あの全島を蔽(おお)っている氷山の裂罅(クレバス)の底で...
中谷宇吉郎 「雪雑記」
...そうしていま彼女のいる地上はあまりにも無惨に罅割(ひびわ)れているのだったが...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...ここでは焼け失せた空間と焼け残った空間が罅割れた観念のように僕の眼に映る...
原民喜 「夢と人生」
...驚くほど高い地殻の罅隙(たぶん噴火口であろうと思われる)からくる黄昏のようなおぼろ気な光がぼんやりと遍満(へんまん)している...
久生十蘭 「地底獣国」
...毀さないまでも罅(ひび)を入れるもののやうに思へてならなかつた...
北條民雄 「道化芝居」
...がんがんと罅(ひび)われそうであった...
本庄陸男 「石狩川」
...北極洋の氷帯に罅が入って...
牧逸馬 「運命のSOS」
...頭が罅欠(ひびかけ)だらけになっても好(い)い」といって...
森鴎外 「渋江抽斎」
...表面に少しも細かい罅(ひび)が入っていない焼物がありましたら...
柳宗悦 「手仕事の日本」
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