...具象的でない樣に考へるのは反省を缺ける淺薄なる思想である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...根本動機の純眞を缺ける半哲學半宗教となるに止るであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...奉仕とは畢竟内面的基礎を缺ける外部的強制に過ぎなくなるであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...聰明を缺ける者すら皆知らむ』しか陳ずればアカイアの全軍共に聲あげて...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...今は其身を防ぐべき武裝を缺ける敵將に...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...武裝を缺ける彼いかでトロイア勢に向ひ得む? 710さはれ今われ最上の策を心にらさむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...而も伯は屡々此の兩極の垂直を保つの用意を缺けることあるが爲に...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...今の政治家動もすれば絶對的多數の大政黨なきを以て政黨内閣組織の最大要件を缺けるものといふと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...是れ必らずしも温暖なる情緒を缺けるが爲に非ず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...何處か(非常に微妙な點に於て)缺ける所があるのではないか...
中島敦 「山月記」
...ところがあの娘は何うだ」「お狐を落(おつこ)として、尻尾が缺けると、ちよいと振り向いたつ切り、拾ひ上げようともせずにサツサと行つて仕舞つた――成程、こいつは可笑しいや」「解つたか、八...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大尾の完成が缺けるやうなものであつた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...各の存在は無くなる缺ける落着かぬ存在であるが故に他の存在を要求し...
波多野精一 「時と永遠」
...クリスト信者でも善の缺ける事があります...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...彼の攻撃するのは現實の根柢を缺ける理論である...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
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