...纖(かぼそ)き手をベルナルドオが肩に打ち掛けて秋波を送れり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...纖維のあるものなら...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...蝋(らふ)の纖手(せんしゆ)のたましひは月の光をふりそゝぐ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...夢ばかりみてゐる纖弱(かよわ)い木...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...玉を延(の)べたらん如き纖腕痲(しび)るゝばかりに打敲(うちたゝ)けども應ぜん氣(け)はひも見えず...
高山樗牛 「瀧口入道」
...百濟王の獻じたりといふ觀音木像、丈九尺幅二尺餘、纖にして脩、柳絲の地に貼せるが若し、木像の四天王は佛壇の四偶に在りて、直立して得物を執れるさま、捧げ銃を行ふ番兵に似たり、手脚弩張せず、顏貌も苦りてはあれどたけりては在らず、山口直作といへば、推古の世のものなるべし...
内藤湖南 「寧樂」
...即ち木の皮の纖維等より作られた今日のアイヌの厚子(アツシ)の如きものを服し...
内藤湖南 「日本上古の状態」
......
中島敦 「和歌でない歌」
...マーシャル特産の蛸葉の纖維で編んだ團扇...
中島敦 「環礁」
...そしてその纖毛の先から更に無數の生(うぶ)毛が光り出し...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...その若い娘は整(とゝの)つた纖細な顏容(かほかたち)を持つてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...纖細な趣味のために...
堀辰雄 「「スタヴロギンの告白」の譯者に」
...心なしか小村雪岱氏の纖細な筆で描かれた綺麗な表紙も何時(いつ)の間にか手擦れ垢じみて來たやうに思はれた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...築地あり柿の木ありいつの日いづこにて見し路のくま……………………いまははや過ぎし日はかくも遠きか……………………われまた千里を旅ゆきてかの小徑をふたたびは歩むとも……………………いかにそはただわが愁ひをあたらしくするのみなるか私の問ひかけは、こんな風に、それもやはりどうもうまくは行かないうちに、やがて、私の幻しは、間もなくそれが消え去る前の、短い時間の、最も纖細な、最もブリリヤントな、最も印象的なものとなる...
三好達治 「霾」
...お上さんは纖(ほそ)い指尖(ゆびさき)を上框(あがりがまち)に衝(つ)いて足駄を脱いだ...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
......
横瀬夜雨 「花守」
...普通世間で美とせられてゐる小さな纖弱なものではなかつたが...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...纖細な簇葉を一層はつきりと現はし...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
便利!手書き漢字入力検索