...纔(わづか)にその半を存するのみなり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...――それもこれも今は纔かに...
石川啄木 「赤痢」
...纔(わず)かに源太夫が「聞書」の前半に過ぎないのである...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...それもほんの纔の間で...
田山花袋 「道綱の母」
...已に危い一命を纔(わずか)にとりとめて先日めでたく除隊(じょたい)になって帰った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...王次回の律詩中に秋霖纔過市成レ渠...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...病に因って纔(わず)かに享(う)けえたこの長閑(のどか)な心持を早くも失わんとしつつある...
夏目漱石 「思い出す事など」
...おのが叫びの纔(わず)かにやんで...
夏目漱石 「幻影の盾」
...纔カニ獄中ノ鬼トナルヲ免レ...
成島柳北 「祭舌文」
...纔(わずか)に残喘(ざんぜん)を保っているようなのが幾らもある...
二葉亭四迷 「平凡」
...纔に後世再建のものが傍らにさらに建立されてゐたことを記憶してゐる...
正岡容 「下谷練塀小路」
...夜は纔(わづか)に更けそめてもう周囲は静まつてゐる...
正岡子規 「ラムプの影」
...松永は纔(わづか)四里許の所也...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...纔迎新年心自平...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...此裏(うち)に新なる発表を待つて方纔(はうざん)に解決せらるべき何等かの消息が包蔵せられてゐることは...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...母親の纔かな安堵があった...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...纔(わづか)に六畳と二畳とに過ぎない部屋は三面の鏡...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...纔(わづ)か一時間で海峡を渡つたのである...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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