...纔(わづか)にその半を存するのみなり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...纔(わず)かに病人は安静を得ていたのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...纔(わず)かに奥畑を得心させたのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...睫毛(まつげ)の蔭(かげ)から纔(わず)かに此方を覗(のぞ)いている細い眼つきは...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...纔(わず)かに視野に這入って来るものを眼の角(すみ)に感じたゞけであるが...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...旅亭の古看板の幾年月の塵埃(ちりほこり)に黒みて纔(わづ)かに軒に認めらるゝ...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...大正の初に至っては三囲堤のあたりには纔(わずか)に二...
永井荷風 「向嶋」
...孔子の適切な判断と指揮とによって纔(わず)かに事無きを得た...
中島敦 「弟子」
...纔かに訝るばかりであつた...
原民喜 「雲雀病院」
...これを引き出すには四五人の男力を合せて纔(わづか)に出すことを得たり...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...一の関に至つて方(まさ)に纔(わづか)に踵(くびす)を回(めぐら)した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...纔(わづか)に甲申の歳に至つてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...旅装纔挈一瓢行...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...藤陰は方(まさ)に纔(わづか)に二篇を贖(あがな)ひ得たのである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...われおもふに總ての學問は人を益するを待ちて纔(わづか)に成立つとも定めがたかるべし...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...此処(ここ)では産地が近くて税が軽いから纔(わづか)に二フラン五十の散財で快(い)い気持に酔ひ乍(なが)ら...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...温厚な同君は纔かに微笑して...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...纔(わづ)かに花を摘んだ...
吉江孤雁 「夢」
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