...纔(わず)かに板を持って来て...
泉鏡花 「海の使者」
...纔(わずか)に頭(こうべ)を動かして...
泉鏡花 「海城発電」
...已に危い一命を纔(わずか)にとりとめて先日めでたく除隊(じょたい)になって帰った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...この両郡を管轄している租税課出張所の権大属白井守人氏は殆ど身を挺して熱心な説諭をしたので纔(わずか)に防ぎ止めたのであった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...わたしの新しき女を見て纔(わずか)に興を催し得たのは...
永井荷風 「十日の菊」
...おのが叫びの纔(わず)かにやんで...
夏目漱石 「幻影の盾」
...「昔し昔しナポレオンの乱にオランダ国の運命は断絶して本国は申するに及ばずインド地方まで悉(ことごと)く取られてしまって国旗を挙げる場所がなくなった所が世界中纔(わず)かに一箇処を残したソレは即ち日本長崎の出島である...
服部之総 「福沢諭吉」
...世界中纔(わずか)に一箇処を遺(のこ)した...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...又酒の力を藉(か)りて強いて纔(わずか)に其不愉快を忘れていた...
二葉亭四迷 「平凡」
...松永は纔(わづか)四里許の所也...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...此年十三年の秋方(まさ)に纔に王子金輪寺を訪うたのである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...纔鑿七竅渾沌死...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...纔迎新年心自平...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...纔に十徳を脱ぎ畢(をは)り...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...纔(わづか)に一人(いちにん)専用の特別一等室だけが塞(ふさ)がらずにあると聞いて...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...温厚な同君は纔かに微笑して...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...纔か三五人づゝの荒くれ男だけが一團となつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...彼等が眠るには纔かな空氣しかいらなかつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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