...日本人同志の間(なか)では小(けち)な利慾心が邪魔をするから迚(とて)も相談が纏まらない...
内田魯庵 「青年実業家」
...話が纏まらない時は...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...おくみはそのやうな纏まらない心持をして洗吉さんのお机に坐つて...
鈴木三重吉 「桑の実」
...弟思いの兄の鼎が心配して、ほかから後妻を迎えようとしたが、本人が旅ばかりして家にいないので、話が纏まらない...
田中貢太郎 「蘇生」
...奥さんが附いておいでになったばかりに纏(まと)まるものも纏まらないでしまうなんてことが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...平安神宮で詠(よ)みさしたまま想が纏まらないでしまったものを...
谷崎潤一郎 「細雪」
...話が纏(まと)まる纏まらないは二の次として...
谷崎潤一郎 「細雪」
...学的労働量はこれまでの処わずかに二三冊の書物にしか纏まらない程少ない方ではあるが...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...神さまでも手古(てこ)ずるくらい纏まらない物体だ...
夏目漱石 「坑夫」
...考へが纏まらない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...群衆が纏まらないやら...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...一向纏まらないんだ...
牧野信一 「海路」
...それで纏まらない処は切り抜きてその人生を自分の中に築き上るのではないだろうか...
宮本百合子 「概念と心其もの」
...言葉に纏まらない以前の動顛でした...
宮本百合子 「偶感一語」
...大陸の話だからナカナカ焦点が纏まらないんだよ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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