...所々(ところどころ)好い加減に頁を繰ると...
芥川龍之介 「路上」
...老女の絲繰る手やうやく緩く...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...糸を繰る音が聞えるだろうか...
泉鏡花 「活人形」
...遠くで雨戸を繰る響...
泉鏡花 「婦系図」
...繰る指が、おさえようとしてもぶるぶるふるえた...
梅崎春生 「桜島」
...矢張自分で手繰るので有った...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...私は、枕草紙の、ペエジを繰る...
太宰治 「めくら草紙」
...何日(いつ)であったか寝床を出て鉢前の処の雨戸を繰ると...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...暦を繰ると、干支(えと)も合って居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...追想おのづから縷々(るる)として糸を繰るが如し...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...ページを繰る手の影はどこにも見えなかった...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...「この上は医者の北村道作の方を手繰るの外はあるまいよ」平次は休む隙(ひま)もなく八五郎と一緒に弓町まで出かけました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ガラリと雨戸を繰ると...
二葉亭四迷 「平凡」
...時間を繰ると、九時三十分の直行がある...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...無遠慮に、忙しさうに繰る...
森林太郎 「身上話」
...いましがた雨戸を繰る音がしたと存じます...
山本周五郎 「夜明けの辻」
......
横瀬夜雨 「べつ甲蜂」
...当夜の華燭(かしょく)から七日七夜にもわたる招宴や賀車(がしゃ)の往来の生きた絵巻を繰るにも勝(まさ)る典雅婉麗(てんがえんれい)な盛事(せいじ)は...
吉川英治 「親鸞」
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