...四十六同郷人會を繰り上げて三藏の爲めに送別會を開かうとして平田や加藤やをばさんは盡力して居つたが...
高濱虚子 「俳諧師」
...日を一日繰り上げたのは...
谷崎潤一郎 「細雪」
...母の祥月(しょうつき)命日は九月二十五日のところを一日繰り上げて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...今年の秋祭はわが帰省中にとの両親の考えで少し繰り上げて八月某日にする事ときめてあったが...
寺田寅彦 「祭」
...繰り上げたり繰り延したりしていとなむ法事をそろそろひらきはじめる頃であるが...
峠三吉 「原爆詩集」
...かえって死期を繰り上げられるかもしれぬ──悪意なき虐待私らは五人きょうだいであったが...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...この繰り上げた絹糸の肌ざわりというものが...
中里介山 「大菩薩峠」
...お菰をさし繰り上げて自分の身体(からだ)を覆い...
中里介山 「大菩薩峠」
...定時の春季機動演習を一カ月繰り上げて二月二十日に行うむねを発表して...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...ちょうど欧州諸国で新年の旧式が多くクリスマスへ繰り上げられたごとし...
南方熊楠 「十二支考」
...蘭軒が妻を娶つた年は繰り上げられるかも知れない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...繰り上げてもらつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...十三年忌が三世の七年忌を繰り上げて併(あわ)せ修せられたときには...
森鴎外 「渋江抽斎」
...T「明日の敵討今晩に繰り上げだ!」と叫んで走り出した...
山中貞雄 「恋と十手と巾着切」
...そのために馬の舞踏会の開始時間が繰り上げられて...
夢野久作 「暗黒公使」
...半ば繰り上げられた部屋仕切りの天鵞絨の蔭からピアノの羽根が見えていて...
横光利一 「旅愁」
...カラカラと上へ手繰り上げられたので...
吉川英治 「江戸三国志」
...カブラルの旅行の予定を少しく繰り上げ...
和辻哲郎 「鎖国」
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