...繭(まゆ)相場に変動の起らない限り...
芥川龍之介 「一塊の土」
...唾で繭の此処と思ふ処を湿して...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...繭子夫人はふらふらになって苅谷邸の玄関先まで戻って来た...
海野十三 「奇賊は支払う」
...その代りに紙片を丸めて投げ与えれば直ちにこれを掴まえて繭であるかのごとくに大切に保護し...
丘浅次郎 「いわゆる自然の美と自然の愛」
...玄関のわきの坪には蓆(むしろ)を敷き並べた上によく繭を干してあった...
寺田寅彦 「花物語」
...方々から入り込んでいる繭買(まゆか)いの姿などが見られた...
徳田秋声 「黴」
...神通力をもつて梭もなしに織りだした俵がたの几帳ばかりがころりころりと繭棚にかかる...
中勘助 「銀の匙」
...(「山繭」一九二六年十一月号)...
中原中也 「夭折した富永」
...繭をかける場処を選んで...
長谷川時雨 「木魚の顔」
...蟲が飛出してしまつた繭を...
長谷川時雨 「桑摘み」
...繭(まゆ)のように肥った彼女は...
林芙美子 「新版 放浪記」
...繭でも綿でもこれ位取れるようにと...
柳田國男 「歳棚に祭る神」
...縁先に出てしきりにまぶしの繭(まゆ)をむしっていた...
柳田国男 「雪国の春」
...蚕(かいこ)も繭(まゆ)を作れず糸も吐けまい」「…………」太史慈が無言のままうつ向いていると...
吉川英治 「三国志」
...してみると、俺などは、極道(ごくどう)にかけると、まだまだ嘴(くちばし)が青いのかも知れねえ」と、繭買の銀六老に、一種の尊敬をもってきた...
吉川英治 「無宿人国記」
...こっちをながめていた繭買(まゆかい)の銀六老人が...
吉川英治 「無宿人国記」
...携(たずさ)えて来た土産物(みやげもの)の山繭織(まゆおり)一反と...
吉川英治 「山浦清麿」
...白骨の湯に行けば繭の相場が解ると云われているほど...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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