...繭は三十か四十、熱湯を入れた浅い鍋に入れ、写生図のテーブルの一隅にある刷毛を用いて、それ等を鍋の中でジャブジャブやる内に、繊維がほぐれて来て刷毛にくっつく...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...もしも製造人が猶予すれば蝶は繭をつき破るだらう...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...女工は其の握つた小さなヒーザアの掃木で湯の中の繭を攪きまはして順に糸の端を見出して取り上げる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...それから繭市(まゆいち)はまだ出ませんが...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
......
高浜虚子 「五百句」
...店頭(みせさき)には白き繭の籠を幾箇(いくつ)となく並べられ...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...男物の生地の粗い繭紬(けんちゅう)で作った...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...繭時(まゆどき)にはまだ少し間のあるこの温泉場には...
徳田秋声 「あらくれ」
...隣村の浜田さんも繭買をはじめた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...旱・水・冷・繭安・害により農民の窮迫は云うまでもなくこの風水害によって愈々決定的になった...
戸坂潤 「社会時評」
...忽然と雲の中――蚕の作りかけの繭さながら...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...てんでに繭をすくひとるやうにくぼませて見せて...
長谷川時雨 「桑摘み」
...それほどの繭を積んで...
長谷川時雨 「桑摘み」
...オドオドと玉繭の着物の毳(けば)をむしりながら消え入りそうに肩をすぼめている...
久生十蘭 「魔都」
...しかし感じは蛹の繭に籠つて遂にその姿を見せない所から自分の最後の姿もさういふ風に隠したい気持が動いたのであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...山繭織(やままゆお)りを濃い紫に染めたよそゆきの小袖を着て下婢(かひ)をさしずしながら...
吉川英治 「銀河まつり」
...するとその繭のお化けのように白い髪をさかだてたおばばが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その辺――繭仲買(まゆなかがい)の銀六と申して...
吉川英治 「無宿人国記」
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