...それは一疋(ぴき)の蛾(が)が繭(まゆ)を破(やぶ)って脱(ぬ)け出(で)るのにも類(るい)した...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...どうして幼虫は繭を堅くつくつたのに...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...その蝶は繭から出るや否や...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...繭子夫人はふらふらになって苅谷邸の玄関先まで戻って来た...
海野十三 「奇賊は支払う」
...蚕が蛹(さなぎ)となる前にまず繭を造ってそのうちに隠れるごときはすなわち本能の働きであるが...
丘浅次郎 「脳髄の進化」
...五月(さつき)晴れには白い繭(まゆ)が村の人家の軒下や屋根の上などに干してあるのをつねに見かけた...
田山花袋 「田舎教師」
...繭売(まゆう)りの車がぞろぞろ通った...
田山花袋 「田舎教師」
...繭時(まゆどき)にはまだ少し間のあるこの温泉場には...
徳田秋声 「あらくれ」
...諸方から入込んでいる繭買いの姿が...
徳田秋声 「あらくれ」
...忽然と雲の中――蚕の作りかけの繭さながら...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...繭商人(まゆあきんど)が秤をもつて...
長谷川時雨 「桑摘み」
...いつもたくみに指先を働して、茹でた繭を開き、中の蛹を取り棄てゝ板の四隅に張りかけるのを見てゐると、自分もやつて見たくてたまらなくなるのだけれど、今日はたゞ默つてそれを瞶めてゐるのであつた...
水野仙子 「白い雌鷄の行方」
...それから繭(まゆ)を売るのが済(す)んだら自分も行こうと云(い)うのでした...
宮沢賢治 「イギリス海岸」
...恋しさに堪えられなくおなりになり「たらちねの親のかふこの繭ごもりいぶせくもあるか妹(いも)に逢はずて」親の愛護の深いのは苦しいものであると...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...地は漆の如く黒く模様は繭の如く黄色い...
柳宗悦 「工藝の道」
...真白な瓢形(ひさごがた)の繭(まゆ)をいっぱい藁(わら)の枝に産み作ることや...
横光利一 「洋灯」
...古着や繭(まゆ)市の立つ町角を中心に...
吉川英治 「江戸三国志」
...笊の中にいっぱいあった白い繭(まゆ)を頭から浴びて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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