...いやしくもわが体外に囲繞せる万象万化...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...いよいよオジュラノ高山を囲繞(いにょう)する大密林地域の測量もほぼ終わりかけて――ということは...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...萩の袖垣を結い繞らした小座敷の前へ出た...
谷崎潤一郎 「少年」
...この先き何十年と云ふ長い間を自分の脆弱な腕の先きに纒繞(まつは)つて暮らすのかと思ふと...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...その上の方に遠く青空を支へて湖東から湖北の天を繞らしてゐる山の容(すがた)が逶(ゐい)として連なつてゐるのが次第に明かに認められてきた...
近松秋江 「湖光島影」
...そうしてこの考えを押し拡げて吾人(ごじん)の身辺を囲繞(いにょう)するあらゆる変化を因果をもって律しようという了見から何かその変化の原因となるものを考えたいので...
寺田寅彦 「物質とエネルギー」
...囲繞溝渠(いじょうこうきょ)の方向に足音が聞こえるように思った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...傷つけられた睡蓮たちは彼女を囲繞(とりま)き溜息します...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...音楽堂を繞つて空椅子の環状配列がいつしんに聴いてゐる落葉をはく園丁の箒の音をああよりそふ僕らの囁きを...
仲村渠 「日曜演奏後」
...しかしその周囲を囲繞(いにょう)する顔面的条件は如何(いかが)な者でありましょう...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...親分」二人は黒板塀を繞(めぐ)らした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それを繞(めぐ)る...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鉄柵を繞(めぐ)らした大きな記念碑の隣りに浅田家のつつましい墓があった...
松本泰 「秘められたる挿話」
...繞(えいじょう)数匝(そう)...
南方熊楠 「十二支考」
...繞らすに銃剣型の柵を以てしたのと同じ俗悪な軍人趣味の発現と見る外はない...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...山の下の細径は谿の上を繞り繞って行く...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...安土から湖北へ繞(めぐ)って...
吉川英治 「新書太閤記」
...天野川の渓流が繞(めぐ)るふところ谷にあり...
吉川英治 「宮本武蔵」
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