...きらびやかな繍(ぬひ)のある桜の唐衣(からぎぬ)にすべらかし黒髪が艶やかに垂れて...
芥川龍之介 「地獄変」
...龍や花紋様が刺繍で色美しく入れてあってなかなか美術的なものである...
上村松園 「余齢初旅」
...帰る時繍(ぬい)のある履(くつ)を一つくれて言った...
田中貢太郎 「蓮香」
...連城の刺繍した女の刺繍に倦(う)んでいる図を出して...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「連城」
...雲助(くもすけ)の花繍(かしゅう)まで...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...彼女はたいてい客間で刺繍(ししゅう)をしたり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...倉皇(そうこう)の際僅(わずか)に前半の一端を窺(うかが)ひたるのみに御座候得(そうらえ)ども錦繍(きんしゅう)の文章直(ただち)に感嘆の声を禁じ得ず身しばしば自動車の客たる事を忘れ候次第忙中かへつてよく詩文の徳に感じ申候...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...黒地に金で猛虎を刺繍した大緞帳に鮮血がさっと迸(ほとばし)る...
中島敦 「盈虚」
...居室にも竜を雕(ほ)り繍帳(しゅうちょう)にも竜を画き...
中島敦 「弟子」
...其心の亂れは刺繍の金糸銀糸が亂れて居る如く只美しくあるべき筈の亂れである...
長塚節 「佐渡が島」
...白い蝶(ちょう)を刺繍(ぬいと)った襟飾(えりかざ)りを...
夏目漱石 「永日小品」
...彼は彼の刺繍編みを総て包括し...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...新造や娘たちは刺繍(ぬひ)のある手布(ハンカチ)で口ばたを拭つて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...台の上には緋(ひ)の天鵞絨(びろうど)に金糸の繍ある立派なる帛を投げ掛けあり...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...クレムリンの建築は赤黒い刺繍を見ているようで奇怪な面の感じである...
横光利一 「欧洲紀行」
...真紅金繍(しんくきんしゅう)の燃ゆるごとき魏の王旗を中心に...
吉川英治 「三国志」
...金繍(きんしゅう)の文字あざやかに...
吉川英治 「三国志」
...彼がどういう素性の人であったかは記してないが、天平十五年鑑真第二回の出帆計画の条に、僧十七人、玉作人、画師、彫仏、刻鏤(こくる)、鋳(しゅう)、写繍師、修文、鐫碑(せんぴ)等工手、都合八十五人とあるによって判ずれば、鑑真が美術家を連れて来たがったことは明らかであって、法力がこの種の人であったろうことも容易に想像される...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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