...たくましく荒くれた君の手に似合わない繊細な線が描かれ始めた...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...繊細な情緒にいつでもふるえているように見えた貴女の心は...
有島武郎 「フランセスの顔」
...荒々しいものと繊細な物との対照である...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...眼元に表れた口では云えぬ繊細な感じで...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...鑿(のみ)を使って繊細なる技巧をもって角々(かどかど)の組み合せをなし...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...繊細な洞察力を獲得しているのであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...繊細な性質をもち生命の堕落的な磨損(まそん)からのがれようとの感心な願いをもってるらしい...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...繊細な顔だちをし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...よほど繊細な神経が要(い)ることになる...
中谷宇吉郎 「立春の卵」
...甥の顔には繊細な心づかひが漲つた...
原民喜 「火の踵」
...それは繊細な精神が愛の最も豊かな財宝の一つに数えるところの...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...繊細な豪胆さとを夫々融和して胸の底に秘蔵してゐる...
牧野信一 「明るく・暗く」
...遠ざかれば遠ざかるほど繊細な余韻が鮮明となるかのやうだつた...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...また東風(こち)菫(すみれ)蝶(ちょう)虻(あぶ)蜂孑孑(ぼうふら)蝸牛(かたつむり)水馬(みずすまし)虫(まいまいむし)蜘子(くものこ)蚤(のみ)蚊(か)撫子(なでしこ)扇燈籠(とうろう)草花 火鉢炬燵(こたつ)足袋(たび)冬の蠅(はえ)埋火(うずみび)等はその繊細なる者なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...町に売る繊細ないわゆる「下(くだ)り物(もの)」とは比較にならない...
柳宗悦 「現在の日本民窯」
...繊細な神経作用の戦慄情緒の醗酵にわれわれは屡々複雑した感覚を触発される...
横光利一 「新感覚論」
...それは繊細な花茎を連想した直後の彼の感傷とはいえ...
横光利一 「旅愁」
...葉末の露の美しさをも鋭く感受する繊細な自然の愛や...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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