...その平野の入口にある繁華な町である...
海野十三 「雷」
...大津波が来るとひと息に洗い去られて生命財産ともに泥水(どろみず)の底に埋められるにきまっている場所でも繁華な市街が発達して何十万人の集団が利権の争闘に夢中になる...
寺田寅彦 「災難雑考」
...あるいは繁華な町の倉の間...
永井荷風 「日和下駄」
...其処はもう玉の井の盛場を斜に貫く繁華な横町の半程(なかほど)で...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...中川の両岸も既に隅田川と同じく一帯に工場の地となり小松川の辺は殊に繁華な市街となっている...
永井荷風 「向嶋」
...そこをズッと市中の繁華な方へ歩んで来るうちにも...
中里介山 「大菩薩峠」
...非常に繁華な都会で有ったそうだ...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...ソクラテス前派の火論家と水論家がアテナイの最も繁華な街角で不意に出遇つた光景を――」この申出を聞いて私は懐ろの中で思はず拳をつくつた...
牧野信一 「くもり日つゞき」
...「初の尋人(たずねにん)は春頃から東国の繁華な土地にいる...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...それが大した遊戯なので,また江戸のような繁華な都に住んでいて野山を珍らしく思う人にはやはり面白い遊戯なので,それゆえいよいよ蕨採りに往くことと極まり...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...冒険大泥棒その繁華な交叉点で吾輩がぶつかったのは...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...最近に築かれた繁華な新城なのである...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...繁華な所はないのか」「は...
吉川英治 「江戸三国志」
...繁華な町の辻の商人宿に...
吉川英治 「新書太閤記」
...三筋のうちでもいちばん繁華な総門の通りへ出て来ると...
吉川英治 「宮本武蔵」
...あの一番繁華な大通りであった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...この繁華なコンゴー王国の最初の訪問者となった...
和辻哲郎 「鎖国」
...あらゆる宝石の充ち溢れた繁華な町や州の多くを見出すことを...
和辻哲郎 「鎖国」
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