...京都でもっとも繁華な四条御幸町でありました...
上村松園 「画筆に生きる五十年」
...すぐ繁華な夜の賑(にぎ)わいの街(まち)に近いところのこととて...
近松秋江 「黒髪」
...高知市の銀座ともいふべき繁華な町の...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...二人が半歳ばかり滞っていた小野田の故郷に近いN――と云う可也(かなり)繁華な都会から帰ってからであった...
徳田秋声 「あらくれ」
...繁華な市中(しちゅう)からも日本晴(にほんばれ)の青空遠く富士山を望み得たという昔の眺望の幾分を保存させたであろうと愚(ぐ)にもつかぬ事を考え出す...
永井荷風 「日和下駄」
...その声柄や語調は繁華な下町育の人に特有なもので...
永井荷風 「来訪者」
...そこをズッと市中の繁華な方へ歩んで来るうちにも...
中里介山 「大菩薩峠」
...流沙河(りゅうさが)の最も繁華な四つ辻(つじ)に立って...
中島敦 「悟浄出世」
...自分がこの繁華な町の名を知らなかったのをよほど不思議に感じたと見えて...
夏目漱石 「坑夫」
...繁華なカチナ通りの...
林芙美子 「浮雲」
...白木屋(しろきや)のそばで繁華な街でした...
林芙美子 「文学的自叙伝」
...生半(なまなか)繁華なところにいるてえと...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...ところで、圓遊の逃げた先が上総(かずさ)の木更津だったとのことだが、かの切られ与三郎を待つまでもなく、江戸末年から明治へかけての木更津は、ひと頃の横浜ぐらいに、繁華な文明な、うれしい港であったにちがいない...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...そのころの牛込馬場下はのての片田舎としてはかなり繁華な一部落であったらしい...
正岡容 「我が圓朝研究」
...祭礼などの繁華なるを見ることを好めりといっている...
森鴎外 「渋江抽斎」
...松八というのは町中の繁華な処にあった...
山本周五郎 「新潮記」
...そこは五十余万石の繁華な城下町のうちで俗に『河岸っぷち』といわれ...
山本周五郎 「契りきぬ」
...三筋のうちでもいちばん繁華な総門の通りへ出て来ると...
吉川英治 「宮本武蔵」
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