...義しき者は禍その身に及ばずして益す繁栄致富するに至るというのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...それからのち彼が繁みの小径を探そうとして一生懸命になっているときにも...
海野十三 「恐怖の口笛」
...即ち人間以外の動物に在っては、繁殖のみあって、それに秩序を与うる道なるものが存在しておらぬ...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...それゆえ昔から数代続いて繁栄の少しも衰えぬ家というのは...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...私は仙台市街の繁華にたまげ...
太宰治 「惜別」
...わたしの乗った船が洲に漕ぎ寄せたとき男山はあだかもその絵にあるようにまんまるな月を背中にして鬱蒼(うっそう)とした木々の繁(しげ)みがびろうどのようなつやを含み...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...戦場で負傷した傷に手当をする余裕がなくて打っちゃらかしておくと化膿(かのう)してそれにうじが繁殖する...
寺田寅彦 「自由画稿」
...過去の繁華を夢に見つゝ心地よく衰頽の平和に眠つて行く此の長崎に来い………と諭(さと)してくれるやうにも思はれた...
永井荷風 「海洋の旅」
...立派に大邸宅をかまえて繁昌していた...
中谷宇吉郎 「ジストマ退治の話」
...――お前今度は何時來るえ?――斯う人眼につくやうでは繁々も來られない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄の繁つてゐる窓先から...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...故其地を墾開し先以甘藷併馬鈴芋(ナラビニゴシヨイモ)を作り、甘蔗(サトウキビ)を種に其皷〔包〕を運送到〔致〕させ、續而地味熟し候時に及び雜穀に及ぼし、樹木繁茂、竹籔巨大のものは是に隨て器什を製せば其利少からず...
松浦武四郎 「他計甚※[#「麾」の「毛」に代えて「公の右上の欠けたもの」、第4水準2-94-57](竹島)雜誌」
...蝙蝠(こうもり)の出盛るころになると新道は急に人足が繁(しげ)くなって...
松本泰 「暴風雨に終わった一日」
...繁治さんが時間のくり合わせをつけて何とかして行きたいと...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...瞬(またた)くひまに繁くなりて...
森鴎外 「うたかたの記」
...あちらのお国の方の御繁昌なことは...
横光利一 「上海」
...左馬介典厩信繁どののおん首...
吉川英治 「上杉謙信」
...往来が繁(はげ)しかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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