...やがて互に縺れ合ひ...
石川三四郎 「社会的分業論」
...不※子供らの聲に縺れて...
石川啄木 「鳥影」
...篠懸(すゞかけ)の葉は翼(つばさ)撃(う)たれし鳥に似て次々に黒く縺れて浚はれゆく...
伊東静雄 「詩集夏花」
...縺れぬばかりに田圃路を歩きなすった...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...しなしなと互に揺れ縺れしてゐる...
薄田泣菫 「独楽園」
...それで到頭昨夜は看護婦と喧嘩をしてね」自分でも其舌の縺れ工合なのが氣になると見えて一寸言葉を切つた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...黒い渦巻を作って縺れあった三人の口からは野獣のような呻(うめ)きが聞えた...
田中貢太郎 「春心」
...舌の少し縺れかゝつた彼女の話が...
徳田秋聲 「草いきれ」
...最初のひと言で舌が縺れてしまうだろう...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...何か不吉な縺れが起りはすまいかと...
豊島与志雄 「林檎」
...どんなに髮が縺れてゐても痛くも何とも無かつた...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...みんな妾が惡いのだから』婀娜(なまめ)かしい襦袢の袖が縺れて...
萩原朔太郎 「二十三夜」
...縺れながら突き切って...
林不忘 「あの顔」
...六月の海は、銀の粉を吹いて、縺れた樹の色が、シンセンな匂いをクンクンさせていた...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...一夏の燃ゆる陽ざしが あるとき ためらいがちに芙蓉の葉うらに縺れていた 燃えていった夏 苦しく美しかった夏 窓の外にあったもの死別れまたたちかえってくるこの美しい陽ざしに今もわたしは自らを芙蓉のようにおもいなすばかり彼は鏡台とか箪笥とか...
原民喜 「遥かな旅」
...舌が縺れるようなこの早口な言いかた……...
久生十蘭 「金狼」
...縺れるように裏の林へ入って行った...
久生十蘭 「湖畔」
...縺れ合う殺伐とした巨塔の上を飛びながら...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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