...しなしなと互に揺れ縺れしてゐる...
薄田泣菫 「独楽園」
...その舌の縺れに腹を立てたのか...
高見順 「如何なる星の下に」
...鮭の腹から出た蕎麦切が縺れ合って見えていた...
田中貢太郎 「鮭の祟」
...縺れる舌で「ほたえな」(ふざけるなとの方言)とぼくを叱りつけ...
田中英光 「さようなら」
...』こんなことを言ひながら三人は縺れながら歩いた...
田山花袋 「歸國」
...枝話しの色々な縺れから実際的な詳細を拾い上げるのが商売であった...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...舌の少し縺れかゝつた彼女の話が...
徳田秋聲 「草いきれ」
...最初のひと言で舌が縺れてしまうだろう...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...解くことの出来ない縺れをなして...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...其頭の上に縺れて居る柳の枝とを見守つた...
長塚節 「菜の花」
...一夏の燃ゆる陽ざしが あるとき ためらいがちに芙蓉の葉うらに縺れていた 燃えていった夏 苦しく美しかった夏 窓の外にあったもの死別れまたたちかえってくるこの美しい陽ざしに今もわたしは自らを芙蓉のようにおもいなすばかり彼は鏡台とか箪笥とか...
原民喜 「遥かな旅」
...山野と今日廊下で縺れ合って巫山戯たのはほんとだが...
原民喜 「焔」
...舌が縺れるようなこの早口な言いかた……...
久生十蘭 「金狼」
...幸田は楽隊と警官の縺れを見ると急ぎ足でその方へ進んで行って権柄な声を出していたが...
久生十蘭 「魔都」
...意地わるく言葉は縺れて...
水野仙子 「道」
...かく縺れ絡んだ物を見ると...
南方熊楠 「十二支考」
...いやに動物的にうねくって縺れ合った檳榔樹の体やばさばさふりかぶった葉を見...
宮本百合子 「九州の東海岸」
...縺れ合う建物群全体を覆う風化作用はぞっとする程で...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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