...縹色(はなだいろ)の細い頤(あご)を...
泉鏡花 「怨霊借用」
...稲結びの紐は、生徒が縹色で、先生は黒でした...
板谷波山 「美術学校時代の岡倉先生」
...制服の色も、生徒は縹色で、先生は黒でした...
板谷波山 「美術学校時代の岡倉先生」
...三つ星と數(かず)添(そ)ふ空の縹色(はなだいろ)...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...あゝいふところはそれは面白いのでございますつてね……』兼家の眼にも、窕子の眼にも、その坊のさま――外は靜かで、暗くつて、通りから見てはさうした光景がそこにかくされてあるなどとはゆめにも思へないやうなところであるけれども、その闇の巷路を五六歩入ると、そこに全く違つた夜の光景がひらかれて、其處にも此處にも置かれた結び燈臺の光が、髮の長い、色のくつきりとぬけるやうに白い、普通上流の女達の着けるものとは違つた、派手な襲ね色の或は紫に、或は紅に、縹色に、銀色にかゞやいた衣裳を着けて、それもだらしなく、几帳などは横さまにして、戸口まで出て迎へて行つたりする女達を見るのであつた...
田山花袋 「道綱の母」
...縹色の柔かな烏帽子を頭に載せた男と睦しさうに竝んで話しながら歩いてゐるのを目にして『おや!』と窕子は思つた...
田山花袋 「道綱の母」
...水浅縹色(みずあさぎいろ)の長い毛糸の肩掛をしてるのが...
豊島与志雄 「反抗」
...杵勝名取(きねかつなとり)男女中より縹色絹(はないろぎぬ)の後幕...
森鴎外 「渋江抽斎」
...退紅の狩衣、縹色の袴、毛抜形の太刀、靴、それに縁のついていない烏帽子などは、すでに女が手をまわして部屋にそろえていた...
山川方夫 「菊」
...縹色(はなだいろ)(露草染め)のむら濃(ご)の狩衣に...
吉川英治 「私本太平記」
...縹色(はなだいろ)の小直垂(こひたたれ)...
吉川英治 「源頼朝」
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