...夜色の中に縹渺たるさま...
大町桂月 「杉田の一夜」
...比良岳は縹渺たる水の果てに一昨日見た時よりも今日は一層壯美な姿をして聳えて見える...
近松秋江 「湖光島影」
...回向(えこう)をする――といったような縹渺たる旅情である...
中里介山 「「峠」という字」
...その縹渺たる情趣に於てはるかにホフマンを凌ぐものがあると考えるのは単なる私の思いすごしであろうか...
中島敦 「鏡花氏の文章」
...到底この種の縹渺たる...
萩原朔太郎 「青猫」
...然らざる読者層の為には晶子歌の完成した縹渺たる趣きを早く知つて貰ひたく晩年の作から逆に交互に拾つて行くことにする...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...旅の歌が作の全部となつた頃僅に見出される純抒情詩で縹渺たる趣きはあるが中味の捕へようのないものが多い...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...あとから考えると誠にユッタリした神韻縹渺たる感じが今に残っている...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...李白の登岳の詩に見るやうな縹渺たる仙界的雅趣は寧ろ此の千山に存するのであらう...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...南緯八三度と八四度の間で前方に縹渺たる隆起が迫り上がって見えてきた時...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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