...径路(ちかみち)を縫うと見えて...
泉鏡花 「歌行燈」
...二三の木立を縫うて歩くうちふと一點の赤い沈んだ灯火を見た...
高濱虚子 「續俳諧師」
...裁縫師が十人も二十人もかかって一つの着物を縫うのですから...
太宰治 「帰去来」
...その植込みの間を縫うて...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...……その間を縫うて...
種田山頭火 「行乞記」
...一つ身を又縫うなんてことがあろうとは...
壺井栄 「一つ身の着物」
...きょう子供の贈物(ゲシェンク)にする人形の着物をほとんど一手で縫うたシュエスター何某が...
寺田寅彦 「先生への通信」
...真黒に煤(すす)けた屋根裏の竹を縫うて何やら動いて居た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...夜中に落ちつき払って物を縫うているのは――その時...
中里介山 「大菩薩峠」
...すなわち、摘出(腫瘍、異物)、切開(膿瘍)、乱切(咽喉の炎症)、穿孔(水瘤、腹水)、探り針(瘻管)、抽出(異物)、搾る(膿瘍)、縫う(亜麻、麻、腱、髪の毛の繊維、)...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...その子たちが自分のために縫うのだったとしても...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...巻絹は裁(た)ち縫うて衣裳にすれども耗(へ)らず...
南方熊楠 「十二支考」
...紡ぐことも、織ることも、縫うことも、奴隷がした...
宮本百合子 「衣服と婦人の生活」
...ただ、ボロッ着物や袋なぞのツクロイ仕事をするだけが、じょうぶ好きでね、雨や雪で、野良へ出られねえ日は、ヒジロんとこで、ボロ縫う、そんだけが道楽だ...
三好十郎 「おりき」
...それはいつも板を縫う糸の役割を務めた...
柳宗悦 「樺細工の道」
...あの万里(ばんり)の長城がその頂きを縫うが如くに連らなっています...
柳宗悦 「北支の民藝(放送講演)」
...それを継(つ)ぎあわせて着物に縫うことで...
柳田国男 「母の手毬歌」
...糸を縒ってほころびを縫うのが普通のことであるのに...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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