...その間を縫うて、二人はそこはかとなく小迷(さまよ)うた...
石川啄木 「鳥影」
...または短い冬の午後にわたしはひと組の猟犬が追跡の本能をおさえ切れないというふうに狩りたてる叫びと咆え声が森じゅうを縫うのを聞くことがあった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...田圃の中につゞいてゐる悒せき田舍家の間を縫うて俥に搖られながらゆくと...
近松秋江 「初雪」
...間もなく白鬚も後にして諸会社から吐き出された職工達の芋を洗うようにこみ合う中を縫うて進んだ...
富田木歩 「小さな旅」
...腹巻を縫うておりましたが...
直木三十五 「寛永武道鑑」
...物を縫うている瞬間だけは...
中里介山 「大菩薩峠」
...その間を縫う杣道は...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...文人墨客の間を縫うて...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...紡ぐことも、織ることも、縫うことも、奴隷がした...
宮本百合子 「衣服と婦人の生活」
...針に糸を通して縫う...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...例えば蜘蛛(くも)が織りかつ縫うことを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...孩児(ややこ)の着物も私が縫うてやるけに...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...物縫うかたわらにも...
吉川英治 「三国志」
...それを縫う十余条の道あるのみゆえ...
吉川英治 「三国志」
...凍(い)てきった舗装の街路を縫う...
吉川英治 「随筆 新平家」
...淡路の蔭をゆるく縫う番船の胴の間(ま)に仆れていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...今この瞬間においてはダンフォースより自分の方がまだ峰と峰との間を縫う危険な飛行に向いていると考えた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...この簡素な太い力の間を縫う細やかな曲線と色との豊富微妙な伴奏は...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
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