...ひょろひょろと行列のあとの暗がりを縫って歩行(ある)いて...
泉鏡花 「怨霊借用」
...氷柱(つらら)倒(さかしま)に黒髪を縫う...
泉鏡花 「海神別荘」
...渠はかの女が縫ひ物を持つて來てしてゐるそのそばへ無言で寢ころんでゐると...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...軍服のほころびを縫ったり...
梅崎春生 「狂い凧」
...のみならず此の四畳半の室内に、鏡台だの、箪笥だの、裁縫の道具だの、猫の食器だの、便器だの、さま/″\なものを並べて置きながら、それらが一糸乱れずに、それ/″\整然と片寄せられて、鏝(こて)の突き刺してある火鉢の中を覗いてみても、炭火を深くいけ込んだ上に、灰が綺麗に筋目を立てゝならしてあり、三徳の上に載せてある瀬戸引の薬鑵(やかん)までが、研ぎ立てたやうにピカ/\光つてゐるのである...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...お庄兄弟のためにも新しい春着が裁ち縫いされ...
徳田秋声 「足迹」
...其中を縫(ぬ)うて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...昔染吉の先代が使った縫箔の職人だけ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...田舍縞の着物に肩縫あげをかしと笑はれ...
樋口一葉 「ゆく雲」
...それは縫ってあった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...直ぐそこの居間では十人に近い娘達が縫物に専心してゐるところだつた...
牧野信一 「奇友往来」
...矮樹の中を縫って行った...
松濤明 「春の遠山入り」
...昨夜縫った女王の着物を手にさげて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...同じ着物を縫ったり解いたりしながら...
山本周五郎 「日本婦道記」
...保雄の妻と成つて以来(このかた)良人(おつと)と一緒に貧しい生活に堪へて里家(さと)から持つて来た丈の衣類は皆子供等の物に縫ひ換へ...
與謝野寛 「執達吏」
...胸の傷(いた)む面持(おもも)ちを見せた――「縫が...
吉川英治 「大岡越前」
...物縫うかたわらにも...
吉川英治 「三国志」
...縫殿介は、気が急(せ)いている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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