...ここに殿(との)の縢(くみ)戸一〇より出で向へたまふ時に...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...行縢を着けた男や...
田山花袋 「道綱の母」
...家の殿の旅立を見送るために――内に住んでゐる人達はその取亂したさまを他に見られることをきらつて、階段の下から此方へは出て來なかつたけれど、下司や僕や男達はずつと表まで行つて見送ることが出來たので、それで呉葉も通りまで出て見たのであつたが、見てゐると、多勢の人達に見送られたその一行の人達は、行縢をつけ、藁靴をはき、包みを負つたり雨具を持つたりして、一歩一歩河原の方へと遠ざかつて行くのであつた...
田山花袋 「道綱の母」
...呉葉は今でも三日おきに行縢をつけ藺綾笠をかぶつて...
田山花袋 「道綱の母」
...そこに呉葉が行縢姿でその參詣から歸つて來た...
田山花袋 「道綱の母」
...金縢諸篇を載せてゐるのには古文説が多いと言つてゐる...
内藤湖南 「尚書稽疑」
...(大正十年三月發行「支那學」第壹卷第七號)自注(一)孟子縢文公上に決汝漢排淮泗而注之江とあり...
内藤湖南 「尚書稽疑」
...入子菱(いりこびし)に縢(かが)った指抜を抽(ぬ)いて...
夏目漱石 「虞美人草」
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橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
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南方熊楠 「十二支考」
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南方熊楠 「十二支考」
...蜘蛛手縢(くもでかが)り冥府(めいふ)の駕(かご)一「春日新九郎! 心の準備はよいであろうな」白面蒲柳(はくめんほりゅう)の彼を睥睨(へいげい)して...
吉川英治 「剣難女難」
...目に見えない運命の糸に縢(かが)られているような気がされてならない...
吉川英治 「私本太平記」
...襟だけに金襴(きんらん)に似た布(きれ)が縢(かが)りつけてある...
吉川英治 「新書太閤記」
...――そして彼は虎の毛皮の行縢(むかばき)を穿(うが)ち...
吉川英治 「新書太閤記」
...御行縢持小駒若(おむかばきもちここまわか)...
吉川英治 「新書太閤記」
...お行縢(むかばき)は金に虎の斑(まだら)を縫ひ...
吉川英治 「新書太閤記」
...この美しい嫂(あによめ)の絹縢(きぬかが)りの可愛らしい沓(くつ)の前に額(ひたい)を沈めた...
吉川英治 「新・水滸伝」
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