...親の手に縋る事なしに河沿の途を遠く/\行く術を知らぬ子供のアスピレーシヨンは運命の反語である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...この気の弱い青年には縋るものが無かったので...
海野十三 「白蛇の死」
...いくらいやでも今はこの自分に縋るより他に何うしやうもないだらう? ざまを見ろ!」こんな風に女に対し勝利の念に燃えることがあつたが...
田山録弥 「山間の旅舎」
...断崖の下に落ちた者が木の蔓にとり縋るように...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...あの惨めな縋るような表情になった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...散歩の帰りに彼の袂に縋ることがあっても...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...外へ出てしまいましょう」「何も怖がることはないというのに」与兵衛はかえってお玉の縋るのを突き放すように先へ出て...
中里介山 「大菩薩峠」
...藁にも縋る気のお園は...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...(取り縋るお君を抱く)窓から辰三郎が顔を出す...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...彼は音楽の調べにとり縋るように...
原民喜 「遥かな旅」
...藁にもとり縋る気持で...
原民喜 「火の踵」
...溺れる者が藁に縋るように...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
......
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...やがて顔を歪めて私に取り縋るに違ひないのだ...
牧野信一 「くもり日つゞき」
...目かくしをして飛び降りても縋るべき木々の枝を間違へる筈はあるまい...
牧野信一 「籔のほとり」
...正さーん」追い縋るお美津の手を振切って...
山本周五郎 「お美津簪」
...あんただけがたのみよ」おせんはとり縋るような気持でそう呟いた...
山本周五郎 「柳橋物語」
...取縋る柔しみは一點見せてもゐない...
吉江喬松 「山岳美觀」
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