...俺は俺に寄り縋る者の誠實と專心とに答へるに同情と愛とを以つてする事を知つてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...併し寄り縋る者に對する俺の愛は俺の全身を擧げて期待し追求してゐる一大事に對しては...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...」と引いて縋る、柔い細い手を、謹三は思わず、しかと取った...
泉鏡花 「瓜の涙」
...いくらいやでも今はこの自分に縋るより他に何うしやうもないだらう? ざまを見ろ!」こんな風に女に対し勝利の念に燃えることがあつたが...
田山録弥 「山間の旅舎」
...縋るように保子の幻を描きだした...
豊島与志雄 「反抗」
...さらば」二人の縋るに任せたまま...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...藁にも縋る気のお園は...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...(政吉に縋る)政吉 (二人に絡まれて)人間って奴あ...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...あれだけでも速く疎開させておきたいの」と康子はとり縋るやうに兄の眸を視つめた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...藁にもとり縋る気持で...
原民喜 「火の踵」
......
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...私は真情を吐露するやうに極めて円極に徹頭徹尾照子の同情に縋るやうな熱心な言ひ振りをしたので...
牧野信一 「愚かな朝の話」
...全速力で追い縋ると...
牧野信一 「ゼーロン」
...玩具の玉転板に障碍の釘が打つてあるやうに順次に彼が飛び縋る木々がジクザクに選まれてゐた...
牧野信一 「籔のほとり」
...」取縋るやうに欄干につかまつたが...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...」と女はとり縋るやうな上眼をして言つた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...それは清子に取り縋る感じで...
矢田津世子 「茶粥の記」
...縋ることすら出來ない...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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