...何か鏡の破(わ)れたのと縁でもあるらしくながめられた...
有島武郎 「或る女」
...何かの縁で自動車王のヘンリー・フオードを知つてゐたので...
薄田泣菫 「茶話」
...冬の夕まぐれの茶の間の板縁で古新聞を引破ってのホヤ掃除をした経験をもたない現代青年が...
寺田寅彦 「追憶の冬夜」
...きょうは?」路地にひらいた三尺縁で...
徳永直 「白い道」
...本人のお若さんは、そのことを知らないでいるそうです」「それが、どういう縁で、江戸の方へかたづいたのだ」「そのことは、あんまりよく存じませんが、なんでもお若さんはいやがっていたのを、先方が強(た)ってというのに、世話人の方へ義理があって行くことになったんだそうですよ」後ろの老練なのが、委細を説明していたが、この時、不意に前棒の若いのが口を出して、「お若さんには、別に好きな男があったっていうじゃないか」「いろいろの噂があるにはあったがね...
中里介山 「大菩薩峠」
...また再び来(きた)るまじき奇縁である...
夏目漱石 「思い出す事など」
...「くれる方は、一文二文でも恩にきせますよ、親分、あっしは遠縁で、三河屋のために病気になったのを、三河屋がお為ごかしに女房にまで別れさせ、さんざん恩にきせられて、離室へ犬のように飼われている男だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...吉五郎は主人半兵衞の遠縁で子飼の手代ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...河岸(かし)っ縁で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...是(こ)れも岸と同国の縁で...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...どうも妙な縁で、家内の名もエジスというのです...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...そんなに骨の折れる月日を送っていらしって――少しはこの静かな川の縁でお休みになる気にもなれないんでしょうか?』ハーキュリーズは頭をふりました...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...何か妙な縁であるやうに思はれた...
三木清 「辞書の客観性」
...こうした因縁である...
森鴎外 「魚玄機」
...「あなたとはまことにふしぎな御縁でお会いした...
山本周五郎 「新潮記」
...菊枝は登野村(とのむら)三郎兵衛から蜂屋をとおして望まれた縁であった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...その宿でお寿々の世話になったのが縁で――金がなくなった頃からつい女の家へ移っていた...
吉川英治 「山浦清麿」
...私には湖水の縁で啼いている鳥の声があれこれと想像せられた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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