...頭の明晰なことや観察の緻密なことには感心します...
伊藤野枝 「私信」
...極めて緻密なる細部の雕刻までを鮮明に現わして殆んど実物を髣髴せしめた...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...そうした心遣いが帆村の緻密な注意力を証拠だてるものであった...
海野十三 「蠅男」
...その壁面には緻密な戦争画等が描かれているのでありますが...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...「凡そ二尺角の加茂川のヌケ石とよばれる緻密な硬砂岩の四面に四方佛を線彫したもので...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...その緻密な推理力(無論探偵的な)に驚くべきものがあつても...
南部修太郎 「探偵小説の魅力」
...緻密な味とトリック...
野村胡堂 「芸術としての探偵小説」
...何という緻密な頭脳...
久生十蘭 「地底獣国」
...あんな緻密な頭なんだから...
久生十蘭 「ノア」
...緻密な頭脳と着実な性格を持ち...
久生十蘭 「魔都」
...当時の露西亜に於(おい)て日本人の如(ごと)く大胆にして且(か)つ学問思想の緻密なる国民は容易になかろうと思われる...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...まつたく植物性とでも云ふべき緻密な...
牧野信一 「浪曼的月評」
...上州の萩原禎助は最も緻密な数学の研究家であり...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...「ジャン・クリストフ」はそれなりに一つの美しい緊張緻密な世界を示しているけれども...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あなたが手の上にのせて退屈なときはそれを鳴らしてあそぶことも出来る位緻密な質の石のかけらかも知れないから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...慎重な・注意深い・緻密な・詮索家...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...緻密な躾(たしな)みを怠らずにゐたので...
吉川英治 「折々の記」
...体を包む絢爛(けんらん)な衣は、細い緻密な線と、陰影を現わす巧みなくま取りとで描かれているが、その衣の薄さや柔らかさに至るまで遺憾なく表現し得たといってよい...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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