...雜誌の口繪で縹緻(きりやう)の好い藝妓の寫眞を見たり...
石川啄木 「赤痢」
...そこまで! あなたの頭は恐ろしく緻密なのね...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...私達の味覚は嗅覚だの聴覚だのと一緒に漸次(だん/″\)と繊細(きやしや)に緻密になつて来たに相違ないが...
薄田泣菫 「茸の香」
...適当の注意と精緻なる材料の審査とを要するのみ...
高木敏雄 「比較神話学」
...立論の精緻なことにおいて...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...いかにして緻密(ちみつ)なる法律は生じたるか...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...緻密精巧になり小型となつてゐる...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...二葉亭(ふたばてい)の『浮雲』や森先生の『雁(がん)』の如く深刻緻密(ちみつ)に人物の感情性格を解剖する事は到底わたくしの力の能(よ)くする所でない...
永井荷風 「正宗谷崎両氏の批評に答う」
...その緻密な推理力(無論探偵的な)に驚くべきものがあつても...
南部修太郎 「探偵小説の魅力」
...精緻巧妙にはなっても...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...歌子は本名の福原貴美子になつて流石に巧緻な俗曲を放送...
正岡容 「寄席風流」
...夫人の得意とする細緻な觀察をほしいまゝにした端艇(ボウト)競爭の場景の中に明確に描かれてゐる...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...いくら緻密(ちみつ)な研究があっても...
森鴎外 「里芋の芽と不動の目」
...こういう手先の仕事において自分がいかに緻密な工夫をこらしたかを物語る時ほど...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...精緻(せいち)な人為的作法に陥れば陥るほど美は乏しく...
柳宗悦 「工藝の道」
...縹緻(きりょう)もめだつほうである...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...おとなしくて縹緻(きりょう)よしの娘がいるんだ...
山本周五郎 「いさましい話」
...役者でないお粂の縹緻(きりょう)に目をつけて...
吉川英治 「江戸三国志」
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