...やはり緩やかな外衣を着けていたが...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...其処は緩い傾斜になって夫其の登り詰(づめ)に松林があり普請役場の建物があった...
田中貢太郎 「海神に祈る」
...どこからか緩いよその時計の音が聞えて来た...
徳田秋声 「爛」
...彼の悩みを緩和してゐた...
徳田秋声 「花が咲く」
...一種の緩衝地区とも云うべき安寧秩序の確保された地域が実現されることだけで満足するものに他ならなかった...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...夫が心配や期待や忍耐や絶望やという意識の緊張や無理な弛緩の不快さになって...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...その制度が弛緩(しかん)して退廃期に入る時には...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...極めて緩慢に流れて行くのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...「ぢや引越(ひつこ)してから緩(ゆつ)くり来(く)れば可(い)いのに」代助は相手の快(こゝろ)よささうな調子に釣り込まれて...
夏目漱石 「それから」
...親分のお小言も緩和されるだろうと思ったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...外国と緩優交易に付...
服部之総 「空罎」
...料理女が彼を楽にするために服を緩めてやった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...其愈大なるに從て緩和仲裁の力を要することも亦愈急なる可し...
福沢諭吉 「帝室論」
...こん度は歩き方が緩やかになって...
森鴎外 「雁」
...だがこの緩(ゆるや)かな音があってこの窯があるのである...
柳宗悦 「日田の皿山」
...緩慢で長期にわたつての体力消耗からくる疲労困憊であつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...然し牛はあの調子で意外な儲けものでもしたやうな顏をして緩る緩ると休むでゐる...
若杉鳥子 「烈日」
...正面の軒の左右にのびた線の端の方もまた緩やかにはね上つて一緒になる...
和辻哲郎 「西の京の思ひ出」
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