...猿沢夫人は編棒をとり出して来て...
梅崎春生 「Sの背中」
...金属製の編棒が、動くたびに冷たい色にちかちかと光った...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...しみじみ、いいお母さまだと思うと同時に、こんないいお母さまを、私と直治と二人でいじめて、困らせ弱らせ、いまに死なせてしまうのではなかろうかと、ふうっとたまらない恐怖と心配の雲が胸に湧(わ)いて、あれこれ思いをめぐらせばめぐらすほど、前途にとてもおそろしい、悪い事ばかり予想せられ、もう、とても、生きておられないくらいに不安になり、指先の力も抜けて、編棒を膝に置き、大きい溜息をついて、顔を仰向(あおむ)け眼をつぶって、「お母さま」と思わず言った...
太宰治 「斜陽」
...「その編棒を取って頂戴な!」と言えば歩いて行って持って来てもくれる...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...編棒(あみぼう)と毛糸とを動かして歩いて来る十二三の娘もあった...
田山花袋 「田舎教師」
...器用に編棒を使ったり...
徳田秋声 「仮装人物」
...編棒の手を止めて窓の方に首を差し延べた...
南部修太郎 「病院の窓」
...編棒で突きさしたりして...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...それから編棒と毛糸の球を持出して...
二葉亭四迷 「平凡」
...面白くやってゆけると思うんだがな……自由に……」――朝子の編棒は...
「一本の花」
...登美がそれまで右手に握っていた金属の編棒を...
三好十郎 「好日」
...登美が編棒を引く...
三好十郎 「好日」
...(編棒を三好のわき腹の方に出す...
三好十郎 「好日」
...(編棒を取る)そいでビッコを引いていたのか...
三好十郎 「好日」
...馬鹿!(また泣き出す)三好 ……(その編棒をポイと植込みの方に投げ捨ててスタスタ縁側の方へ行く)……痛え...
三好十郎 「好日」
......
山之口貘 「鮪に鰯」
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