...生まれかわらなければ回復しようのないような自分の越し方(かた)行く末が絶望的にはっきりと葉子の心を寒く引き締めていた...
有島武郎 「或る女」
...きちんと締めてある戸締(とじまり)をどうして開けて来るだろうかと云うような現実的な疑問はおこらなかった...
田中貢太郎 「岐阜提燈」
...雨戸を締めてない客室の前の廊下に...
田中貢太郎 「黒い蝶」
...彼は幾度も襖を締めて立ち去りかけては...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...筋肉のきりつと緊まつた極小柄な男で汚れた白木綿の三尺帶を締めて傍に褪めた淺黄の風呂敷包を引きつけて居る...
長塚節 「佐渡が島」
...ひしと一度は胸の底に抱き締めて見たら...
長塚節 「土」
...おめへのからだを締めてやらアな子供を寝かせる時みてエにヨウ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...少し顏の紐を締めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...宵のうちから雨戸を締めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「頼むから後を締めてくれ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まるで馬が逃げ出そうとするのを止めるかのように手綱を握り締めていた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...黄金の細工の帯を締めている...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...帽子を握り締めて突っ起(た)っていた...
牧逸馬 「チャアリイは何処にいる」
...兼(かね)て決心の手綱を引き締めて出発して来たのだが...
牧野信一 「ゼーロン」
...乙女がその後を締めて水口から自分もついて出...
「小祝の一家」
...この古道具屋はいつも障子が半分締めてある...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...(マルガレエテ手を強く締めて...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...唇を深く噛み締めて...
夢野久作 「暗黒公使」
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