...剛(こわ)い毛に半ば埋(うも)れるように鼻孔がこの辺のこなしを引締めている...
高村光太郎 「木彫ウソを作った時」
...もう多くの家は雨戸を締めて...
田中貢太郎 「文妖伝」
...隣の局との間仕切(まじきり)に締めてあるのを云うのであった...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...角帯を締めて白足袋を穿いたものです...
談洲楼燕枝(二代) 「燕枝芸談」
...早く二階を締めて下さい」この家(や)の中で若い女の声...
中里介山 「大菩薩峠」
...汀(みぎわ)の砂地を踏み締めて...
中里介山 「大菩薩峠」
...二十七八の美い年増、丑刻(やつ)過ぎといふのに、帶まで締めて、鬢(びん)のほつれも見せないのは、さすがに良いたしなみです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...用心よく内鍵(うちかぎ)で厳重に締めてあります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あっしの三尺を締めて行っちまいましたよ」「代りはなかったのか」「ヘエ」「帯を締めずに来たのかな」「あっしの白木の三尺を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それからお照さんの手で戸を締めて寢た樣子だ」「その後は?」「私は知らぬ――と申す外は無いな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...宵のうちから戸を締めて」お輝の話は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人間は自分の手で自分の首を締めては死ねるものでは無い...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...帶もきちんと締めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...しっかり締めてあった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...全体を雲斎織(ドリルス)で巻き締めてあって...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...両手をポケットに突込んでシッカリと握り締めているから……酔っていた形跡もない...
夢野久作 「線路」
...右手(めて)に山高帽を持ち左手(ゆんで)に手袋と鞭を握り締めている...
夢野久作 「暗黒公使」
...蒼白い汗が輝やき流れて……額(ひたい)の皺を逆さに釣り上げて……乱脈な青筋をウネウネと走らせて……眼をシッカリと閉じて……義歯(いれば)をガッチリと喰い締めて……両手でシッカリと椅子の肱に掴まりながら...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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