...「ともかくこれから一つ帳簿のほうのお調べをお願いいたしまして……」その人の癖らしく矢部はめったに言葉に締めくくりをつけなかった...
有島武郎 「親子」
...その大事とは製造事業に關する弟と從兄弟との衝突で――弟は義雄の代理として金錢上の締めくくりをしなければならないが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...締めくくりのないものになつてしまひました...
薄田泣菫 「茶話」
...過去の日記帳に締めくくりをつけたいのである...
谷崎潤一郎 「鍵」
...なんとか締めくくりをつけよう...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...この一巻の「パリのスケッチ」の首尾の表軸となり締めくくりをつけていることなどがそれである...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...全体の構造上の締めくくりをつける留釘(リベット)のような役目をつとめているようである...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...草鞋(わらじ)を締めくくり...
中里介山 「大菩薩峠」
...女の締めくくりは帯なんです...
中里介山 「大菩薩峠」
...見学や出張の締めくくりをするという意味でも...
中谷宇吉郎 「低温室だより」
...その事件の締めくくりについて考え合った...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...かつては帝国の舞踏会の締めくくりに出されていた夜食を最近廃止していた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...すべてのものにつながっていて考えればみな締めくくりがつかなくなる」「それらの責苦に私は耐えることが出来そうもない」ほどに感じられるそれを自己の感性の鋭さと意識されている観念である...
宮本百合子 「観念性と抒情性」
...自分がなければ五万三千石の締めくくりができる男ではないがとは...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...ひとつの締めくくりがついている...
吉川英治 「随筆 新平家」
...自分で自分の締めくくりがつかなくなって...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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