...その紋緞子の袴の長い裾を白足袋で緩く刎(は)ねて...
泉鏡花 「薄紅梅」
...お母さんのお古だという藍鼠(あいねずみ)の緞子(どんす)の帯は大へん似合っていた...
伊藤左千夫 「浜菊」
...大きな緞帳(どんちょう)がスルスルと下りた...
海野十三 「恐怖の口笛」
...時としては床の絨緞(じゅうたん)の下に隠していることも...
谷崎潤一郎 「鍵」
...オ母サンニハ緞子(どんす)ト呉絽(ごろう)ノ帯地ヲ持ッテ行クト云ッテ下サイ...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...それから卓子や椅子やクッションや絨緞など...
豊島与志雄 「自由人」
...質屋の番頭の腕次第……」また妙な緞帳臭(どんちょうくさ)いセリフがはじまったが...
中里介山 「大菩薩峠」
...建具には皆緞子が張つてある...
長塚節 「菜の花」
...頭だけで評すると何か緞帳役者(どんちょうやくしゃ)のようにも見えるが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...暗転々々が一々赤い緞帳をしめる始末で...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...緞帳を又上げて、カーテンコール...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...役者らが緞帳(どんちょう)の両脇に殺到...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...色の褪めた絨緞を彩つてゐる...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「駆落」
...そのうちに一冊の巨大な緞子(どんす)張りの画帳をズルズルと引っぱり出した...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...真白い緞子(どんす)の幕がスルスルと降りて来て...
夢野久作 「二重心臓」
...絹の敷布は寝台の上から掻き落されて開いた緞帳の口から湿った枕と一緒にはみ出ていた...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
...紫紺緞子(しこんどんす)へ銀糸の入った帯を派手に締め...
吉川英治 「剣難女難」
...いつかあなたにいただいた緞子(どんす)で仕立てた袿袴(うわぎ)なのよ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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