...緑蔭と日光との綾の中にさながら小跳(こおど)りをしているようだ...
有島武郎 「フランセスの顔」
...水辺緑蔭の幽閑境に養神の快を貪るといふ様な事は...
石川三四郎 「吾等の使命」
...思を緑蔭の流光に托し...
石川啄木 「閑天地」
...樹蔭に大きな牛が寝て居る「緑蔭放牧」...
上村松園 「昔のことなど」
...緑蔭に入り北陵の側門(そくもん)へ北陵の内庭草の茂るまゝ龍彫りし陛の割目の夏の草六月九日 午前北陵に行く...
高浜虚子 「六百句」
...『タイム?』と英語で! じつに流暢な英語で!緑蔭芝生に日光がそそいで...
谷譲次 「踊る地平線」
...これからはまた印度(インド)の緑蔭も踏むことだろう...
谷譲次 「踊る地平線」
...その緑蔭の中には葉洩れの光線を受けた...
外村繁 「日を愛しむ」
...今(いま)は緑蔭の時節になつた...
夏目漱石 「それから」
...今は緑蔭(りょくいん)の時節になった...
夏目漱石 「それから」
...緑蔭朝の冷し肉は皿につめたくせりいはさかづきのふちにちちと鳴けり夏ふかきえにしだの葉影にかくれあづまやの籐椅子(といす)によりて二人なにをかたらむ...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...緑蔭倶樂部都のみどりば瞳(ひとみ)にいたく緑蔭倶樂部の行樂はちまたに銀をはしらしむ五月はじめの朝まだき街樹の下に竝びたるわがともがらの一列ははまきたばこの魔醉より襟脚きよき娘らをいだきしむ...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...きれいな婦人よ私をゆり起してくださるな明るい街燈の巷(ちまた)をはしりすずしい緑蔭の田舍をすぎいつしか海の匂ひも行手にちかくそよいでゐる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...そこには落葉松が繁茂していて涼しい緑蔭をつくっていた...
堀辰雄 「恢復期」
...光文社発行の雑誌「光(ひかり)」第四巻第七八号に「緑蔭鼎談」と題し...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...大戸片里と露月庵に歓娯する事緑蔭にほの白く匂う空木(うつぎ)の花もすでに朽ち...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...馬はやがて妻籠の緑蔭に隠れて行く...
吉川英治 「剣難女難」
...緑蔭の清風(せいふう)は...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索